7.料理、のち少々の運動
料理をしばらくしていないとストレスが溜まる、と言うと驚かれることがある。主に料理を毎日作って飽き飽きしている人や、そもそも嫌いな人にだけれど。
料理はもうかなり長い間の、大切な趣味だ。一人暮らしの時もそうでない時もずっと楽しんでいる。
和食はどうも母にはかなわないので、作るのは洋食や中華が多い。凝った物にチャレンジすることもあれば、休みの日のブランチに極めて雑な物を作って楽しむこともある。 料理の何が良いって、自分の食べたい時に食べたいものを好きな味で作れる事だろうなと思う。それを食べれば腹は満たされ、簡単に幸せになれる。最高の趣味だ。
雑なブランチは結構頻繁だ。母が「焼きそばを作るけどついでに作ろうか?」と言うのを断り、無心でジャガイモをレンチンしたりする。
ジャガイモに火が通ったら切れ目をいれて、好きな物をかけて食べるだけ。バターや塩こしょう、買い置きのコンビーフや使い切れなかったアンチョビ、冷蔵庫に余っていたたらことマヨネーズなんかも合う。
休みの日の食事は、大体そうやって自分が今食べたいものを自分に聞いて用意する。芋以外なら例えば目玉焼きをのせたパンや、チーズとバターを両方のせたちょっと背徳感のあるパン、冷蔵庫の余り物を入れたホットサンド。ゆでたソーセージや野菜にチーズやドレッシングをかけるだけ、なんて事もある。余り野菜を色々入れたスープに、そうめんを入れて食べたりもする。
そういう、洋も和もないような名もなき料理も楽しい。もちろん凝った物を作ることもあるけれど。
大事なのは、自分が今何を食べたいのか、自分に聞いて決める事だ。
ストレスの解消を兼ねているのだから、作るのは自分が今一番食べたいものがいい。家族の分を作る事も多いが、家族には私に合わせて貰う。そういう時に変な配慮や遠慮はしない。問答無用だ。
日々の食事だったら自分の好みだけで決める事は少ないが、週末の自分の楽しみの為にする料理は別、と決めている。
私にとって趣味というのは自分のためにすることに他ならない。作った物を人に振る舞う事はあっても、基本的には自分がしたいことを楽しんでいるだけだ。だから料理も、趣味の時は自分のためだけに作る。自分が食べたくて作る料理は、手が込んだ物も、火を通しただけの芋も、等しく楽しくて美味しい。
何を食べたいか真剣に考えると、その時の自分の体調もよくわかる。調子が良ければ凝った物を多めに食べたいと思うし、悪ければ簡単で胃が休まるような物を求める。時には何も食べたいものが思い浮かばないこともあるけれど、そういう時はいっそ食べずに空腹と付き合ったりもする。
芋+αの時は大抵、面倒くさいことはしたくないけれどそれなりに美味しくてお腹に溜まりかつ酒に合う物を食べたい、疲れている時だ。だからそういう時は芋をふかすついでに生ハムを出したりキャベツをちぎって塩やごま油で和えただけのものを用意したりして、昼間から缶チューハイを開ける。休みの日の昼酒サイコーと言いながら思う存分自分を甘やかす。そうして、気分が良くなりお腹がいっぱいになったら昼寝でもして、元気を取り戻すのだ。
そんな風に、もし少し時間があるのならたまに自分だけのために料理を作ることを、色んな人にお勧めしたい。
毎日だとちょっと栄養バランスがとか運動しないと帳尻が合わないんじゃないかとか、別のことが気になってくると思うので、たまにで。
日々の料理は年月を重ねるとどうしても惰性になっていって、ローテーションになっても仕方ない。
だから、時間がある時に、ぜひ自分と相談してちょっとだけ挑戦してみて欲しい。
面倒なら自分が今一番食べたいものを一品だけだっていい。
このご時世でちょっと難しいが、平時なら別に自分で作らなくてもどうしてもあそこのラーメンが食べたい! とかでも別に構わないし、今日はジャンクな気分だというのなら、カップラーメンやポテトチップス一袋で昼食を済ませたっていい。
ただ、ちょっと出かけづらい今だから、毎日同じ家にいてストレスが溜まったら。
そんな風に週に一回や二回、自分の気持ちに耳を傾け、自分を甘やかすのも悪くないなぁと思うのだ。
私もどうせ今週末も家にいるわけだし、そうして一人ご褒美ご飯でも楽しもうと思う。ついでに、気が済んだらちょっとした運動もセットで。