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5.編み物は無心になれる。

 幼馴染みといえる昔からの友人が一人、東京に住んでいる。かれこれ保育所からの付き合いになる。

 先日連絡を取ったら、明日から職場が一ヶ月の休業に入るので、私も自宅待機だと言っていた。

 一週間ほどのち、再び連絡を取って何か困っていたり欲しい物はないかと尋ねると、買い物には行けるので大丈夫だと言っていてほっとした。

 毎日何をしているのかと聞くと、ひたすら編み物をしている、と言う。その答えに私は手芸の好きな彼女らしいと微笑むと同時に、編み物もいいなぁ、と考えた。

 

 私も手芸を趣味の一部にしているのだが、割と取り留めなく何でもやる方なのでその時々でやることは変わる。手の届くことは何でも一度はやってみたい質なのだ。

 裁縫に刺繍にビーズ、マクラメに紙細工、手織りなんかもやったし、テレビで見かけてレジンなんかも挑戦してみた。どれもそれなりに試してみて飽きるのだが、しばらくするとまた戻ってくるものも多い。編み物も、その一つだ。

 冬が近くなるとやりたくなって、暖かくなると止めたくなる、と言うのを定期的に繰り返している気がする。


 編み物のいいところは何と言っても無心になれるところだ。編み図を確かめながらひたすら編んでいると心が静かになる。ふと気がつくと結構な時間がたっていて、手元を見れば増えた編み目が達成感を与えてくれる。もちろんその域に達するには基本的な技術を何も考えずに使えるくらいの慣れが必要だが、それでも単純な物ならさほど難しくはない。


 友人に作った物の出来映えを自慢してくれと言ったら、早速写真が送られてきた。もう小さなかごバッグを三つも編んでいて、どれもシンプルだがとても良く出来ていた。休業が明けたら同僚にプレゼントするのだと言っていた。

 生産的で、素敵な時間の使い方だなぁと感心しきりだ。

 そんな物を見せて貰うと、私もなんだか久しぶりに編み物がしたくなった。

 時間がたっぷりあったなら、無心に編み物をするのはきっと楽しいだろう。小物ならすぐに出来るし、達成感もあってその後使ったりあげたりしやすい。

 バッグはまだ作ったことがないから挑戦してみてもいいし他の物でもいい。昔良く母に頼まれて作ったアクリル毛糸で作るスポンジ代わりの葉っぱとかも懐かしいかもしれない。


 そういえば友人と話していて一つ気になったことがある。彼女はウサギを飼っているのだけれど、あの子は編み物の邪魔をしたりしないんだろうか? そこら辺は猫とは違うから大丈夫なのかな? それはまた今度聞いてみる事にしよう。

 家で一人でも、無心になれる趣味を一つと、そばに寄りそう家族が一匹。

 家最高! と私と同じインドア派の友人は笑っていた。  

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