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95.流星
しんしんと静寂が降る
庭先の芝生に寝転び
ただ星空を眺めている
幾つもの星が瞬く
もうどのくらい
宇宙を旅したのだろう
昔むかしの
凛とした光
ささやかに、晴れやかに
弱く、強く
浮雲のように漂い
流れ着いた先で
落下して燃え尽きた
私の願いは叶わない
確かなことはそれだけ
仕方ないよと笑えば
吐く息だけが白く上る
もうどのくらい
憂いをかかえたままで
今にも降りそうな
綺麗な星空
ただ眺めている
暗い空に
流れ星ひとつ だけど
祈りは もう 捧げない