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7.黒
改稿しています。
深く 深く堕ちてしまえば
私を包むのは優しい黒
やけっぱちになった冬の
綺麗な闇を覚えている
外灯の届かぬ先の
黒い暗い蟠り
溜息さえ出ない夜の
路地のアスファルトを覚えている
背中に感じた
硬く、灼けて凍てた冷たさを
何も考えられなくなって
この身さえ要らなくなって
疲れ果ててしまった私は
真っ直ぐ空を眺めた
吐息が白く上っていく
深く 深く
堕ちてしまえば
ふわり ふわり
意識を漂わせれば
辺りを包むのは冷酷な黒
全てを拒絶した私が
辿り着いた、闇