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67.再起
酷く気分が沈む
何も浮かばないまま
無心で鉛筆を走らせた
見ないふりをしていた弱い自分
気づかない振りをして奥底に押し込んだ
要らぬものとして投げ捨てた筈の
感情たちが動き出す
無意識に描き殴った紙に
現れた表情は
本当の自分はこうしたかった
恥も外聞もなく泣きじゃくり
或いは感情を顕に怒り
それも出来ぬならいっそのこと
このまま眠ってしまいたい
そして
貴方に起こして欲しい
全く馬鹿げた感情だ
だけどやっと手が動いた
意味の無い線の重なりが
やっと意味を見つけた
誰にも言えない感情を
描いて燃やして弔おう
これでやっと立ち上がれる
たとえ貴方の助けがなくとも
もうきっと、大丈夫