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独白  作者: 黒
63/100

63.月

そこに「好き」は詰まっていますか?

そこに「楽しい」はありますか?

ただ「義務」だけが残っていますか?

「仕方なく」で埋まっていますか?


日々が遣る瀬無さで支配される前に

どこかに逃げ道を作りましょう

楽しさを見失って戸惑ったなら

少し現実逃避をして


貴方の「好き」は何でしたか?

「心地よい」ことは覚えていますか?



息が詰まる日々のなかで

君の言葉を思い出した

ふと見上げた空は

どこまでも暗く黒く

ただ

折れそうに細い三日月が

微かな光を湛えていた


夜空を眺めて浮かぶのは

「好き」の在処を静かに問う、君



ああ、本当に……


月が、綺麗ですね


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