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6.熱
改稿しています。
それはまるで熱病のように
僕を浮かせた
悪戯げに僕を見つめる君の
甘い声が鼓膜を擽る
それは甘い毒のように
やがて僕の中へ溶け込んでいく
ほらそうやって
君が笑むから
僕はこの
名もない思いを掻き抱く
いっそ懐に呼び込んで
もっとおいでと抱き寄せて
甘やかに香るその髪に
僕を揶揄うその唇に
想いを込めた口付けを落としてしまおうか
ああ、本当に
そんなふうに出来たなら
どれほど幸せだろう
だから、僕はこの思いを押し殺した
これ以上、惹かれぬように
これ以上、焦がれぬように