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37.病
ぞわりと何かが
皮膚を這いずり回る
痺れたようなそれは
強弱をつけながら全身へ
やばい、とは思っている
どれだけ布団に潜り込んでも
身体はカタカタ震えるし
手足は馬鹿みたいに冷たい
でも大丈夫
私は元気
熱なんか出ていない
元気でいなくちゃいけないから
私は元気
喉なんか痛くない
だから明るい声を出して
ふらつく足元も無視して
いつもの笑顔を貼り付けて
朦朧としてきた意識も
寒気も吐き気も疼痛も
全部まるごと無視して
今日も元気に参りましょう
放っておけばそのうちに
怠さも消えていくでしょう
どうせ心配されることも無い
どうせ気にかけられてもいない
どうせ誰も私の事など見ていない
弱音を吐いても虚しいだけ
だから、大丈夫
まだ私は、
頑張れる……