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35.睡
ふと目覚めたのは夜中
常夜灯の淡い明かりの下
眠る君を見つめた
長めの前髪はさらりと流れ
普段隠れた額を晒す
幼く見える寝顔も
柔らかな頬も
触れたくて
触れられなくて
僕は何故か息を詰めたままで
あどけなく眠る君
無防備に寝息を立てて
薄く開いたその唇に
目を奪われた
不意に薄く目を開けて
僕を眼に映した君は
ふわりと笑って僕の名を呼ぶ
それがあまりに親しげで
愛おしそうに響くから
そっと
頬に触れる
唇を指でなぞる
再び眠りに落ちた君
その頬に口付けを
夢の中で逢えるように
吐息に乗せて想いを告げよう