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32.声
月影が君を静かに照らす
辺りには人が溢れていて
君はそこで笑っている
優しい闇が揺蕩い
清な空気が漂う
僕は一歩引いた場所で
語る君を見ている
耳に心地よい声で
静かに語る君を
僕には混ざれない話
それをぼんやり聞いて
凄いな、なんて頷いて
でも相槌は君には届かない
案外こういう空気も良い
いつもより饒舌な君
リラックスした声音
ゆったりと話す君
いつもより少し崩れた口調も
僕にとっては新鮮で
混ざれない事が心地よい
こんな日もあるんだなぁ