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22.放
君に溺れて見えなくなった
依存を1つ、投げましょう
甘く優しい君の影から
少しずつ抜け出しましょう
君に溺れて湧き出していた
想いを1つ、投げましょう
甘く密かな泡沫の夢
少しずつ手放しましょう
深く溺れて君に告げた
言葉を1つ、投げましょう
甘く優しい君の言葉も
少しずつ、少しずつ
綺麗に飾った宝石箱に
君の言葉を詰め込んで
華奢で頑丈な鍵をかけて
心のずっと深いところへ
君と交した約束を
今度は違えないように
それを欲しがる心ごと
深く深く沈めましょう
浅ましい欲を手放せたなら
後に残るのは想いだけ
ただその声を聞くだけで
ただ君の存在を感じるだけで
幸せだと思う気持ちだけ
君と私の縁の糸は
きっとそれが丁度いい
限りなく愛に近い「好き」だけを
あなたの耳に届けましょう