13/100
13.懐古
改稿しています。
もう届かぬ君
色褪せた思い出
あの頃感じた空気が
懐かしく頬を掠めた
狼狽えた僕は
何も言葉を紡げずに
ただ微笑む君の
幻を見つめていた
不意に
君の声が聞こえた気がした
今更、なんで
声にならない呟きは
ただ空に溶けたけど
甦る思い出はとても色鮮やかで
臆病者の僕を責める
色褪せたはずの君の思い出が
もう二度と色付く事がないように
垣間見た色彩の美しさに
ため息一つ、そっと吐き出して
あの頃の君に
どうしても言えなかった
あの言葉と共に埋めよう