十三話
「は~……」
俺は一人夜の公園でベンチに座ってため息を吐く。もちろんそれに答えてくれる者はおらず。ただ自分でもわからない虚無感について考えるしか無かった。
それというのも、先ほどあのタコ男から言われた言葉が原因だ。
「死神の能力……ねぇ」
なんて物騒な。俺前世なにしたんだよ……。
そんなことを考えてしまうが、ならばなぜあの時溶解液男の液を浴びても大丈夫だったのか、理屈が通るらしい。
なんと、この能力というのには強さの順位があり、強いものは弱い能力の効果を受けないというのだ。しかも、俺の能力は現状の最強能力なんだと。
つまり、俺はあのアニメやラノベの主人公と同じ、チート能力者になってしまったということだ。
……もう嬉しいのか複雑なのかわけわかんねぇな。
と、俺をじっと見つめるネコと眼があった。綺麗な真っ白のネコだ。誰かの飼い猫だろうか。しかし、動物は見えないものでも見えるのかねぇ。
「私ですけど」
「……人間以外にも変身できるのか」
俺の視線に耐えかねてか、ネコが口を開く。……その表現も正しいか微妙なところであるが割愛させてもらうとして、ネコ改め偽理恵は愛らしいそのもふもふの体で跳躍し、俺の隣に腰を下ろす。
「なんかようか?」
「いや、なんとなくです。散歩をしてたらみかけたので」
なるほど、ネコの姿で散歩か。
「……ネコっていいよなぁ」
「もふらないでくださいね?」
「したいけど我慢するよ」
ネコってほんと可愛いよな。なんであんなに愛くるしいんだろうか。もうね、ツンデレみたいなところがやっぱり一番いいよな。
などと考えていると、にゃーんと咳払い……鳴き払いが聞こえたので、視線を向けた。
「これからどうするんですか?」
「三島理恵のストーカーを続けるよ」
「……それは果たして許していいのかどうか」
まあ、警護も兼ねてるし……いいんじゃね?
「私の身としては、あんまりやって欲しくはないんですが……」
「つっても、やることないしなぁ。いいじゃん。なんかあったら守れるし」
「そうなんですけど、私のオリジナルですよ?」
うん。まあそうだよな。俺も、もし弟がストーカーされてたら嫌だし、そんな感じか。……俺ただのヤバいやつじゃん。
「じゃあ、まあ控えめにするとしよう」
「するんだ……」
「一日中暇して過ごすほど、老人生活は慣れてないからな」
いや、ほんとにやることないんだよなぁ。
とりあえずいろいろあってしっかり許可はいただきました。




