寄生人間 2話
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「男の子に、転生したのか。俺は。」
その時。パっと。部屋の中の光がついた。ここは白い立方体の部屋。自分はその部屋の真ん中で一人で座っている。あれ?さっきまで誰としゃべっていたんだ?
「僕としゃべっていたんだよ。」
えっ!声のした方向から、いきなり女の子がいた。まるでそこには、はじめからいて、ずっと気づいていなかった感じで。小学生で、白いワンピースをきている。
「僕が見えたってことは、君と話せる時間はあと一分。ここにいられるのも、あと一分だよ。なにか、ここを出る前に聞きたいことある?」
えっ!いきなり。おいおいないぜ。聞きたいことかー。てか、一分しかないのに。考えてもいられないな。んー。んー。あー。
「俺は、死んだんだから、ここにいるんですか?」
そのとーり。ここは、天国なんだろ。死んだのだから。
「んーっ。」
なに。女の子が悩んでいる。いや、まてまてまて。聞くだけ聞いて、答えないパターンか。いや、答えられないのか?
「そんなことよりー。今から君は転生して、転生先で、なんらかの使命をこなしていくんだよ。いろんなもの、人や、生物に、寄生することになる。使命を全てこなし終わったら、なんと人間に戻れる。簡単でしょ!」
簡単でしょ!じゃねーよ!だりーよ!わけわかないーよ!普通に死なせてくれないかな。普通に来世の生物に生まれ変わらせてくれないかな。
「つまり、生きかえるのか。」
「そうだよ!寄生して、帰生するんだよ!」
うわっ!
急に真っ黒になった。目の前が、真っ黒に。もう、なにかに転生してんのかな。なんにもわからないけど。目を動かせている気がするが、体が動かない。おっ。振動した。振動している。ここはどこだろう。まあいいや。とりあえず、寝るか。こんな動けなくて、真っ暗で、なにが使命だ。いや、まてよ。このまま意識があって、動けないのは、ある意味地獄だ。死んで、地獄行きか。しばらく、ボーッとしていたらなにかおきるのかな。ぼーーーっと。
僕は、うとうとしていたら。いきなり光が。
「まっ、まぶしい!」
目の前には、巨大な赤ちゃんがいた。ひいっ!おれっ、なんかものすごくちっちゃくなっちゃってる!えっ。まてよ。赤ちゃんが近づいてきて俺を食べようとしている。動けん!やめてっ。うわーーー!死にそう。吸われている。目から水が出るようだ。食べるというより、吸い終わった赤ちゃん。わかった。おれは、おっぱいに寄生しているんだ。やばい、わかったところで、何をすればいいんだよ。母乳が吸われるのはわかる。ちくしょう。母乳かま毒になれば。うわーーっ!はぁ。またすわれた。その時。あがあがあが。赤ちゃんが死んだ。顔を真っ青にして。まただ。また光が。まぶしい!
「おめでとう!使命をはたしたんだね!」
続く→3話