1、目が覚めたら(1)
目が覚めると、そこは森であった。
「・・・ありがちな迷い込み小説か・・・?」
とにかく、状況を整理しよう。
・登校途中に突如落ちるような感覚の後、意識を失う
・携帯電話は圏外。時刻は13:28、日付は変わっていない
・ここはどこかの森である
・およそ6時間以内に到着できる地点
・どうやら何も盗られていないらしい
拉致・・・ではないな。置き去りにする意味がない。
身ぐるみ剥いで捨ててるわけでもない。
それ以前に、私が歩いていた場所は人通りが多いはずであり、誰かを攫うのは難しい。
催眠ガスを散布したにしては意識を失うのが早すぎる。
背後から手刀を受けた・・・あるかもしれない―――が、あの瞬間、足場が消えたような感覚があった。となるとそれはない。
というか、「突如」「何の兆候もなく」人間を気絶させるなんてことは―――
「・・・いや、なったものはなってしまったんだ。まずは脱出策を探そう」
パニックになっている暇はない。
まず、持ち物を確認する。
・筆記用具
・教科書ノート類
・携帯電話
・学生証
・バッグ本体
・制服
・暇潰し用の本
・弁当
・ミネラルウォーター
・・・まあ、こんなものか。
とりあえず弁当とミネラルウォーターを持ってきたのは幸運だった。
少なくとも今日はしのげそうだ。
「さて、次は」
辺りを見回す。
・・・。
見たことの無い植物が多少混じっている。・・・一体ここは何処なのか、いよいよ判らなくなってきた。
・・・私はある程度、植物図鑑などを読んでいた・・・が、見たことが無い。
後は、何かの足跡らしきものが・・・・・・サイズが異常だな。恐竜か?
少なくともこの生物に遭遇したらアウト、それぐらいは分かる。
・・・この森から脱出するなら早いほうが良い。
そう判断した私は、とりあえず足跡の方向以外で適当に進むことにした。
プロローグから間隔が開いてしまいました。
2話は早めに書きます、すいません。。。