いつもと違う朝
どうも。ネクスタです。
1年半ぶりにやる気が沸きやがりましたので更新します。
今後も定期更新・・・できるかな?
ピピッ ピピッ ピピピピピピ…
「はいはい、分かりましたよー…朝だねー」
ちょっと独特な音を鳴らす目覚まし時計で新しい1日がスタート。
俺はカーテンを開け、日光をめいっぱい浴びる・・・
はずだった。
「起きた瞬間からこれか…残念だなー」
窓の外は薄暗く、ざーざーと音を立てるものが降り注ぐ。
そう。雨だ。4月であるにもかかわらず。
中学2日目からこれかよ、と心の中で呟きながら寝室を出て、台所へと向かう。
中学2日目の朝食。でも変わる事なんて何もない。
中学生になったからって、身分以外は変わらないのだから。
いつも通り食パンをトースターに差し込み、その間に他のものの準備をする。
「お茶と…ジャムでも塗っちゃおうかな」
今日のパンのお供はいちごジャム。別にかわい子ぶってる訳じゃない。男だし。
ただ、ジャムって無性に食べたくなる時がある。その時の為にストックしておいてよかった。
そうこうしているうちに、パンが焼きあがり食卓が埋め尽くされ・・・
る事はないんだよな・・・1人暮らしだもんなぁ
1枚のジャムパンとお茶が並ぶだけのテーブル。寂しすぎやしないか。
でも毎日こんな感じだから自然と慣れてしまう。せめてAIスピーカーでもいればいいのに…
「ふぅ…ごちそうさまでした。」
美味しかった。『いただきますも言え』とか言われそうだが、ちゃんと言っている。そんな段落あっても面白くないだろう。
すぐに流し台へ向かって手慣れた動きで食器を洗い、ちゃちゃっと済ませる。
ここまで15分経過。そんなちゃちゃっとはしていないが、早めに起きてるから問題ない。
7:20
04/11(木)
やってしまった。早く起きすぎて時間が余ってしまった。通常の登校時間までまだ30分以上ある。
まだ中学生始まったばかりだし早めに起きとこう…とか言ってた自分を殴ってやりたい。
学校まで距離があれば丁度良いものの、残念なことに10分もかからない。
さて、どうするか…
答えはただ一つ。『登校する人が少ないうちに中学校に到着する』ことだ。
何を隠そうこの自分、人混みが大の苦手なのである。ぼっち特有のあれだ。今がチャンスと見た俺は、制服に着替えて学校までレッツゴーすることにした。
誰もいないうちに教室に辿り着けば、陽キャに椅子を占領されることもない。まぁ、まだ俺は輝く中学生活を諦めてないけど。
その理由は簡単。昨日、中学初日に話しかけてくれたあの女の子。もしかしたら仲良くなれるかもという期待を込めて、俺は学校に足を運ぶのだった。
7:35
中学校、到着。まだ校門前で挨拶してる先生すらいない。部活中の先輩をちらほら見る程度で、落ち着いた感じで教室に着くことができた。
よし、誰もいない。教室を独り占めしているみたいで、少し笑ってしまう。
小学時代は集団登校だったから、こんなことも出来なかったけど…ちょっと面白いな、これ。
俺の席は窓に隣接する一番後ろの席。ラブコメの主人公がいがちなあの席だ。
『青木』って名字だから一番前かと思ったけど、この中学は出席番号と席順は関係ないらしい。
そのおかげであの子と隣の席になれたんだ。いい事もあるもんだなぁ…
とか思っていたら、引き戸が開いて誰かが入ってきた。
「あれ?まだ誰もいないと思ったんだけどなー。早いね君」
担任の鎌本先生だった。何でか知らないけど、この人とは話すとき緊張しない。
短く言うと、生徒に人気出そうだなって感じ。そんなこんなで話しているうちに、徐々にクラスメイトが入ってきた。
まだ不安そうな顔をしている子も多い。まだ入りたてだし、そうなるよなー
「おはようございまーす」
教室が騒がしくなる頃、見覚えのある顔が入ってきた。隣の席の秦野杏歌さんだ。
こんな俺にも話しかけてくれた、中学生活のキーマンのような存在。彼女とのかかわりは大事にしよう。
でも、あんな明るい子なのに友達っぽい子がいないのは不自然だ。クラスに一人はいそうなもんだけど…
「青木くん、おはよう!みんな教室来るの早いんだね~」
「おはよ。昨日はありがとね」
つい、感謝の言葉を口に出してしまった。なんの『ありがとう』なのか秦野さんには分かるはずもなく、『?』な顔をしていた。
彼女の言葉で気づいたが、もう始業まで5分ほどしかない。入学早々遅刻ギリギリとは、勇気あるな…
友達がいないのか訊こうかとも思ったが、自分が訊かれたら嫌なのでやめておいた。
「あのね~、私この町に引っ越してきたばかりなんだ。だから友達もいなくて…」
やめておいた…のだが、理由を秦野さんの方から喋ってくれた。そうか、引っ越しの線もあったのか。
一人暮らしの自分には縁のない話なので、思いつきもしなかった。
「だから、青木くんが話しやすい人でよかった~!これから色々、頼らせてもらうかも」
「よろしく。分からない事あったら聞いてよ」
少し冗談交じりに彼女が言ったので、そのノリに乗らせてもらった。
でもこれを通じていけば、親しくなれるかもしれない。この関係を軸にして中学生活を送ってみるか。
そう思っていると、国民みんな知っているあの音が耳に入ってきた。
キーンコーン カーンコーン
キーンコーン カーンコーン
「出欠とるぞ、みんな席につけー」
鎌本先生がこれからおなじみになるであろうフレーズを発した。
これから、今日も俺の新しい一日の幕が開く・・・
「青木~」
「青木~」
「えっ、あっ、はい!います!」
のろけていたので耳に入ってこなかった…やらかした…とも思ったが…
なんかクラスメイトの表情が明るくなった気がした。これも嬉しいもんだ。
改めて、俺の新しい一日の幕が開く・・・!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
今後も定期更新を目標に頑張っていけたらなと思います。
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