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「『白と黒の対の蜘蛛』には他の御使い様にはない力があるのですが、人型をとることができるのがその力の一つだと言われています。」

「言われています?よくわかってないのですか?」

「そうですね。なかなか『白と黒の対の蜘蛛』がそろったという事例が今までに残されてないのです。」

「ウム。くろハ好ミガウルサクテナ、召喚者ハりっかデ3人目ダ。」

「りっか、オネガイダカラ≪唯一ゆいいつ≫ニナッテ?」

「オイ、くろ、物事ニハ順序ガアルッテえりーモ言ッテタダロ?」

「もしや、≪唯一≫とは・・・」


「ごちゃごちゃうるさ~~~い!!なんなんですか?わけがわかりません!お願いですから説明してくださ~~~い!!!」


神官様とリタさん、シロ君が説明してくれたのは、黒い少年は私の御使い様で名前がクロ、白い少年はリタさんの御使い様で名前はシロ。

この二人?は人型をとることができて、建国王の時代から生きていることと、シロ君と違ってクロ君が召喚に応じたのは私で三人目。銀の女神さまとエリーさんと来て、私。

御使い様には≪唯一≫という存在があって、平たく言えば『お嫁さん』ということらしい。

今は少年になってはいるけど元は蜘蛛。少し好感度は上がってきたけど、急には無理!は~な~し~て~!

したばたしていたらシロ君と神官様に説得されて、クロ君が離れてくれた。


結局、召喚の学校には行かなくてもいいことになり、なし崩し的にリタさんのおうちに住み込みで薬師の修行をすることになりました。

でも、クロ君は距離が近い。気づくとそばにいる。からのホールド。元々御使い様と召喚者の間には他者にはないつながりがあるらしいけど、さすがにこれは・・・


「クロ君。危ないから離れてよ。」

「ヤダ。危ナイノナラ離レナイ。りっかマモル。」

さらに拘束がきつくなった腕から逃れようともがく。調合室の掃除がで~き~な~い~。

「くろ。イイカゲンニシロ。りっかノ邪魔ダケハスルナ。コレデハタダノ迷惑ダ。」

「・・・ワカッタ。」

しぶしぶ離れていくクロ君。これでやっと掃除ができる。ちゃんとやらないとリタさんは怖いし、薬の調合もうまくいかない。掃除をてきぱきと、てきぱきと・・・

何なの!その目!卑怯拳ひきょうけんキターーー!!黒目勝ちの目がうるうる~って、乙女か!っていうか、元は蜘蛛ダロ!!なんか負けた気がするよ!いろいろな意味で!!

蜘蛛型をとらなくなったシロ君とクロ君はいろいろ手伝ってくれるし、美形だから目の保養になる。離れて見れば、だけどね!

「・・・クロ君おいで。一緒に掃除しよ。抱き着かなければそばにいていいよ。」

「ウン。」

にっこにっこしながら寄ってきたクロ君に心がぽかぽかしてきた。急いで掃除を仕上げてリタさんに報告をしに応接室に向かうと、リタさんと神官様、シロ君がお茶をしていた。

「あ、神官様、いらっしゃってたんですね。」

せっかくだから修行の成果を報告したくて神官様に寄って行こうとしたら腰を後ろからつかまれた。

「りっかダメ。ボク以外ノ男ニ近ヅカナイデ。」

「ええ?なんで!修行の成果を報告したくて、「ダメ。ソンナ顔ノりっかハ見セレナイ」」

被せてきたよ、このコ。

「おや、相変わらずのようですね。仲がいいのはいいことです。」

「そうね~。案外≪唯一≫になる日も遠くないかもね~」

いやいやいやいや、クロ君は蜘蛛で、御使い様ですよ!最近蜘蛛型になってないからいろいろ私のガードも緩くなってきた気もするけど、蜘蛛には嫁げないよ!無理です。

「ダイジョウブ。りっかガイイッテ言ウマデ待ツ。」

ひ~~~。なんでわかったの?考え読まれた?

「フフ。りっかノ顔ニデテル。ワカリヤスイ。カワイイ。」

・・・最近このパターンに慣れてきた気がするし、このまま流されそうに・・・

いや、ダメだ。薬師の修業は慣れてきたし、やりがいもある。だんだんと将来のビジョンが見えてきたから意識も変わってきた。今の目標は一人前になってリタさんからの独り立ちだ。

独立できたとき、横にいるのは・・・。


ぎゅううううううううううう~~~~~

「わあああああああ~~。苦しいよ~~。」

「離サナイ。」

ううう、クロ君のおかげで神官様とリタさんにシロ君に会えて薬師としての修業もできるようになって、だんだんと蜘蛛に怯えなくなってきたけど、クロ君のべたべたひっついてくるのは想定外です。

召喚した時に、初めてクロ君を見た時とはまた違う気持ちだけど、


女神さま!

御使い様、チェンジで!お願いします!


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