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三度の飯より美少女がお好き。  作者: リヴ
【prologue】
2/2

第一話《現実とは最も非科学的だ》

この日翠碧(みどりあお)は現実が何よりも非科学的なものだと知る。


それは火曜日の放課後のことだった。


碧は、先日のことを思い出していた。




「ひぐっ、えぐっ、うわあーん!」


碧は泣いていた。


碧が大好きな美少女アイドルさんが引退したのだ。


他の人にとってはだからどうした、だが。小学生の頃から見ていたアイドルさんなのだ。…年齢については受け付けない。


放課後の公園に、えぐえぐと泣いている碧を見つけたのは田川日南(たかわひなみ)だった。


「あら、どうしたのですか?」


それが間違いだった。


日南は延々と美少女アイドルさんの話を聞かされ続け、塾にも遅れたのだ。


しかし碧の日南への好感度は上限を突き破って上がり、昨日貸してもらって返し損ねたハンカチをストーカ…もとい、後を追って渡そうとしているのだ。


によによと口を歪ませながら後を追う碧。


前には田川日南と神影陽翔(みかげひかる)天坂都(あまさかみやこ)小鳥遊亞凛(たかなしありん)が歩いている。


神影陽翔は校内でも有名なチーレム野郎だ。


運動神経抜群、頭脳明晰、そしてそのアイドル顔負けの容姿、まさに完璧超人とはこいつのことだろう。


そしてこいつは学校の三大美女を囲い、ハーレムを築いているのだ。


「あの…!」


ついに覚悟を決め、話しかけたときだった。


カッ!と目の前が白に塗り潰される。


碧の脳裏にあったのは落としてしまったハンカチのことだった。



_____________________



あれ、と碧は目を覚ました。


目の前には金髪碧眼の美少女が物々しい兵たちに囲まれて立っている。


「あぁ、成功したのですね…!」


実に、美しい声色だった。


碧の第六感(びじんセンサー)が反応した。


だがしかし、今は非常事態である。流石の碧でもわかった。

碧は渋々引き下がった。


「日南、都、亞凛!大丈夫か!?」


するとチーレム野郎(陽翔)が目を覚ましたようで、美少女たちに声をかける。美少女たちも少しの呻き声をあげ、ゆっくりと起き上がった。


「おはようございます、勇者様方。私はリアリー・フィアン・アグリィ。アグリィ皇国の第三皇女です。」


呆然としている碧達が目の前の状況を処理するのは、しばらく経ってからだった。

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