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終ヘ旅スル技能写師 -world end:re start-  作者: 片岡 雅
Chapter2:スピリット・ティアー
13/33

011.5-食料

 静寂は思いのほか早く終わりを迎えた。洞窟の奥、出口のほうから足跡が響いてきたのだ。その数二つ。推測するに、アルスとラスマンを探しにきたゲードとアルシェの二人だろう。

 ラスマンの消耗は激しいが、命には別状ないだろう。アルスもまた、少々傷を負ったがそれも浅く、命に別状はない。HPを見てみれば、どちらもまだそれなりに残っている。今何が起きようとも一瞬で0になることはないはずだ。


「おーい、無事かー!?」


 やや不安の色を浮かべながら、アルシェが声を響かせた。

 やはりアルスの予想は間違ってはいなかったようだ。彼女に続き、ゲードも言葉を放った。


「よかった。生きているな」


 そりゃそうだ、と内心思いながらも、ラスマンは仲間との再会をほほえましく思っている。アルスもそれに似たものを感じていた。それとともに、戦いの最中思い出した村の人々の事を、再び思い返していた。



   +++


 エスピカの森、神殿にて。

 兄アルスに事を任されたリーラは、早速途方にくれていた。現在の状況、一部の人間が覚悟を決めて転職石を使い、少しずつ皆に元気が戻ってきたか、という具合だ。料理屋、農夫、万屋などなどがそれに当たる。

 そしてさらに、第一の問題解決につながるであろうヒントも得た。料理屋の持つスキル《技能:解体術》だ。彼曰く、このスキルを使えば魔物から食料として素材を剥ぎ取ることが出来るそう。しかし、ここでまた新たな問題が出てくるのだ。それは、いったい誰が外に行くか、という問題だ。

 これに関しては、まず素材を剥ぎ取る料理屋は確定だろう。後はそこに誰がついていくか。これにはいろいろな意見があった。戦える男が揃っていけばいい。とか、神殿内と上手く分割して万が一に備えるべきだ。とか。そしてそれには反論もある。馬鹿を言うな、俺たちはもう駄目だ。という超ネガティブブラック発言などがそれに当たる。が、結果、多数決により料理屋と他数名の農夫が外へ向かうこととなったのだ。リーラははじめ自分も行くと名乗りを上げたが、ここのエリアの権限を握っている身、簡単に命を危険に晒すんじゃないと、すぐ止められてしまったのだ。これには彼女もショックを受けた。兄が出て行くことに比べれば大した事はないが、それでも悩むくらいには衝撃を受けたのだ。


(私、結局足手まといなのかな……)


 以前のように椅子に膝を抱えて座り、暗くなっていた。しかし、


(ううん、アルシェさんも言ってたもん。後悔しないようにって。私は私にできる事をするんだ。うん!)


 まずは自分に与えられたスキルを有効活用するのだ。そう、それしかない。

 思い、リーラは早速行動を開始した。彼女の持つ《技能:調理の業〈P〉》は、料理をする上でさまざまなサポート――たとえば手際を良くしたり――、さらには食材に眠る栄養価をフルに引き出したりとするスキルだ。彼女はそれを活用し、少ない材料で出来る限りのねぎらいを込めた料理を開始した。それはきっと、帰ってきた男勢に安らぎを与えることだろう。そして、次に向かう活力も。


「よし、頑張るぞっ!」


 一人で掛け声を上げながら、リーラは料理に奮闘していた。

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