今日は確実に2人います (俺)
これは、『俺の周りに霊が集まるのは多分守護霊が原因だろう』のこぼれ話です。
ですので、上記の物語の設定を使用しております、ご了承ください。
ストーリーとは一切関係がありません。
『4月1日。エイプリルフール。
実際その起源は全く分かっていない。
宗教的なもの、人々の遊び心……など色々な説があるが、どれも仮設の域を出ておらず、なんとも奇妙な日である』
数分前、企業が作ったエイプリルフールネタに思いっきり騙された咲真は、その起源についてネットで調べていた。
「へえ、エイプリルフールを日本語にすると……」
咲真はネットで面白い記事を見つけた。
昨日は嘘を言ってもいいという奇妙な日。
嘘をついた人はどのくらいいただろうか。
そして、ここにも_
「スウィンさん!あたいスウィンさんのことあんまり嫌いじゃないです!」
今日がエイプリルフールだと思い出したクリキーナは、さっそく嘘をついてみることにした。
ターゲットはスウィンさん。
その理由は、ミーナさんはすぐエイプリルフールだと気づいてしまうような気がしたし、咲真さんには少し失礼な気がしたから。
というか、ミーナさん今いない……。
ただ単に嘘をつくだけなら特に考える必要はない。
でもどうせなら楽しい嘘をつきたい。
そう考えてたどり着いたのは『嫌い』という言葉。
今日なら、結果的にその言葉が指す元々の意味にはならないはず。
ただ、遠回しだとはいえ、好きと言うことに抵抗があったあたいは、表現を曖昧にすることにした。
だから『あんまり』を『嫌い』に付け足した。
「へ?なんだよいきなり」
スウィンは、いきなりクリキーナに言われた言葉に困惑していた。
あんまり嫌いじゃない……?
はたして、日本語として合っているのか、どう解釈したらいいのか……。
ふふ、スウィンさん困ってます。
今日はエイプリルフールなんですから、これくらいしても大丈夫ですよね?
その時、クリキーナの視界に偶然時計が入った。
12時4分……。
……?……!?
クリキーナは固まってしまった。
ああ、今日は4月1日か……。
やっとそのことに気がついた俺は、もう一度最初から考え直す。
あんまり好きじゃない?
あれ、この場合『あんまり』も『じゃない』も逆に言えするのか?
そもそも言葉を逆にしても嘘にはならないんだっけか?
やばい……意味がわからない……!
スウィンは頭がパンクしてしまった。
「へえ、エイプリルフールを日本語にすると、
『4月馬鹿』っていうんだな」
昨日は嘘を言ってもいいという奇妙な日。
嘘をついた人はどのくらいいただろうか。
4月馬鹿な人は昨日どのくらいいたのだろうか。