ファンタジーと現実 (モ)
これは、『モノクロな日々』のこぼれ話です。
ですので、上記の物語の設定を使用しております、ご了承ください。
ストーリーとは一切関係がありません。
いわゆる、オマケというものですね(笑)
授業と授業の間。
これは休み時間兼、移動、準備時間である。社会から数学。移動をしなくていいので、俺は明と話をしていた。
不意に、明の机の上に置いてあった、『魔法の料理 Ⅲ』という題名の本が目に入った。
料理のレシピ本なんだろう、表紙に''夢の様! 誰でも作れるお手軽料理! ''と書いてある。
手に取り、ページをめくると、色々な種類の料理が載っていた。
「魔法か……、魔法で料理って作れんのかな?」
もちろん俺たちの世界に、そんなものは無いのだが。
何か呪文を唱えたら目の前に煙と共に現れる……みたいな、そんなメルヘンチックな事が出来たとするならば、俺は一体どんな気持ちになるだろう。
「作れると思いますよ。でも、多分美味しくは無いと思います」
なんで? と尋ねると、なんででしょうかね?と、逆に尋ねられた。
「今の世界の仕組みのまま、魔法で料理を作るなら、電子レンジで作りそうだよな」
昔なら、よくアニメとかで見る、壺とかで作るのだろうか。
「その考え方だと、空飛ぶ箒は空飛ぶ掃除機になりますよ?」
「とんがり帽子の魔女が、掃除機にまたがって現れるのか……」
そんなの夢もメルヘンもあったもんじゃねえなと、俺はレシピ本を閉じた。