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??? フロイラインの補習授業①

この話は別に飛ばしてくれても問題ないぞぉーっ?

 よーっ少年。

 随分と殴られてたようだが大丈夫かーっ?

 おいおい、どうしたー?

 なんだか()()鉄砲食らったような顔してるぞーっ?


 んー?

 どんな豆なんだよ?だって?

 よしよし、いいぞーっそんだけ的確にツッコミ出来るなら大丈夫なようだなー


 まっ、そんなトコ突っ立ってないで座った座った。

 お前さんの席は用意してるぞー?

 ふむぅ……何を警戒している……?

 そんなに私が怪しいかぁーっ?

 ……なに?

 怪しすぎる?

 案外酷いこと言うな、少年。

 じゃあ、お前さんから私はどう見えるんだー?

 ふむ、

 ふむふむ……、

 推定身長が一三五センチのどう見ても一〇歳くらいの幼女、

 ――がメイドのコスプレをして怪しさMAXな女……か、

 ま、正解だ。否定はせんぞー?

 でも些細なことだぞー?

 いいかー、これはアレだ。

 そうアレだ、ユメなんだ、ユメ。そーいうことにしとけーっ

 だから気にしちゃダメなんだぞーっ?


 まぁ、いいから座りなぁ、紅茶を振舞ってしんぜよぉー。

 私が淹れたモノだが、なかなか美味いと思うぞー?

 エレンほどではないがなぁ、そこそこ自信あるんだぞぅ?


 まぁまぁ、そんな怪訝な顔をするなーっ

 用件はなんだ!? か、ふむ……大した用ではないのだが、お前さん……

 あの炎の魔術師の魔術を見て、少し興味を持ったのではないかなー?

 おっ?図星かーっ?

 いいぞっいいぞっ、それでこそ絡み甲斐があるってモンだなーっ


 むっ?余計なお世話?

 んじゃ聞くがなーっ

 魔法と魔術の違いはわかるかーっ?

 魔道師と魔術師の違いもわかってるかーっ?

 わかってないんじゃないかーっ?

 ま、今回はそこからはじめよーか。


 とりあえず、平たく言うとだなーっ、『魔術とは魔法の一種である』だなぁ。

 そもそも『魔法』とは悪魔の扱う邪悪な力や神々や聖人といった者が起こす奇跡といった超常現象全般を指すんだなーっ

 総じて運用には『魔力』を必要とする、強力な『魔法』ほどそれに比例して膨大な『魔力』を要求される……まぁこんなトコだろーっ

 ごくごく一般的な認識としても差異は無いかなー?

 では、魔術に関してだが。

 これは『人間が使用することを前提に置かれた魔法』といえば良いかなぁ?

 そもそも人間という生き物は総じて『魔力』が低い、勿論さっき挙げた『悪魔』や『神々』といった者に比べて、だがなーっ?

 当然だが『魔力』の低い人間には起こせる奇跡も微々たるモノだ、

 さて、少年。お前さんならこの埋めようの無い『差』をどーするぅ?

 …ふむ?工夫する……か、

 なかなか良いぞぅ、正解だなーっ


 お前さんの言う通り、昔の人間は工夫したのさーっ、どうすれば自分たちが『神々のような奇跡を再現できるか』をだな。

 神々の起こした奇跡といったモノを徹底的に追求し、その行動をなぞらえてその一連の挙動を形式化して『似たような結果』をもたらせる術を編み出したんだなーっ。

 それはもう『魔法』というより『儀式』といったモノに近いかな?

 そういう側面もあるから、必要とされる『魔力』も圧倒的に低くて済む、つまり燃費が良いワケさ。

 魔術の歴史とともに何度も何度も調整されて研ぎ澄まされた『手段』だからだ、

 もっと言ってしまえば『才能の無い者の為の手段』というワケだなーっ。


 んで、次は魔道師と魔術師だな。

 また平たく言っちゃうが……『どちらも広義の意味では魔法使い』だな。

 む?

 魔術を使う魔法使いだから、魔術師……か、まぁそれもハズレじゃないなぁーっ

 でも少年、考えても見るんだなーっ

 そもそも人間なんだから『使う魔法はほぼ魔術』なんだぞぅ?

 まぁあれだー、魔術師が道を究めて自らの『魔道書』を著し弟子をとり知識を伝えるようになって初めて『魔道師』なワケだ。

 本質的なトコはかわんないんだがなーっ?

 カンタンに言っちゃえばだなぁ『魔道師』は()術の()のお()匠サマってワケだなーっ!

 つまり、せんせーなんだな、

 ……ということは私も『魔道師』になっちまうかもなー。

 でもだな?せんせーと言っても学校のせんせーみたいに一杯おらんし、とても稀少な存在だ。魔の道を修めようとする者の内の何パーセントが人生で巡り会えるかもわかったモンじゃないなーっ。

 魔道師、という呼称の重みはチョットは伝わったかー?

 だからだな、お前さんが炎の魔術師のことを『魔道師』と認識したのは間違ってるんだなぁーっ。

 ……と、まぁこんなトコか。

 そろそろ目が覚めちゃうなーっ?

 どんな夢でもいつかは覚めるものだよーっと、

 ん?

 名前?どうせこれはユメだぞぉーっ?

 いいから言え……か、

 ふみゅー、人だった頃の名前なんぞとっくに忘れかけてるしなぁ……

 ふむ、そうだ。

 かつて私を雇ってくれた女主人(ミストレス)がこの姿を見て呼んでくれた名があったなぁーっ、うん。それでいいかーっ。

 では、少年。


 ――フロイライン、私のコトはそう呼んでくれたらいいぞぅ!



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