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君に会いたかった日  作者: 豆腐メンタル


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3/3

心の準備は大事である

 人には心の準備というものが大事だと私はこの時思い知った。

 軽い用事が発生するぐらいならまだ分かるが、限度というものがある。

 なぜ思い知ったのかというと。

 まさかあの後、神代さんに連れられるがまま飛行機に乗せられたのは本当に予想外で、急な出来事で呆然としていた私は行き先も分からず、空の旅を終えて私たちは北海道に居ます。


「なぜ...!」

「さあ、美味しい海鮮を堪能しようか!」

「いやいや、待って待って」


 パニックになっている私を見て神代さんは「どうかした?」と首を傾げる。

 どうもこうもないでしょ、急に北海道とか旅費はどうしたとか、言いたい事が多すぎる、多すぎるが...。


「ふぅ~、うん!一回落ち着きたいからアイス食べに行こう」

「お!アイス!良いね良いね!」

「この空港内にあるいい店知ってるから」


 アイスというワードに目を輝かせている神代さんを連れて空港内を歩く、まさか学校のカバン一つでここに来る日が来るとは夢にも思わなかったが、来てしまったものは仕方がないので切り替えて美味しい物を食べよう。

 そんな感じでアイスを購入し、フードコートへ着席しアイスを食べる。

 この濃厚なバニラアイス、さすが北海道...!

 神代さんは私の食べ方を見て真似るようにアイスを口に運ぶ。


「っ...!頭が~いた~い...でもおいしい...」

「一気に食べすぎだよ」


 神代さんはアイスクリーム現象に苦しみながらアイスを完食したが、口の周りに溶けたクリームが付いていたので、私のティッシュで拭いてあげる。


「さあ、いきなり私を北海道へ連れてきた理由を説明してももらおうか」

「ほら、ノート渡したじゃん、あれぎっしりだから今年中に全部やろうと思うと時間がたりないんだよね」

「だからって説明もなく連れてこないでよ準備とかいろいろあるんだし、言ってくれればちゃんと付き合うから」


 そう言って神代さんの方を見ると、一瞬呆けたような顔をしたがすぐに笑顔になった。


「優しいね、逢沢さん」

「別に普通でしょ」

「ううん、そんなことない、ちゃんと付き合うって言って貰えてすごく嬉しかった」


 そこまで言われるとなんだか照れ臭いな...

 照れている私の様子を見た神代さんは嬉しそうにバッと立ち上がり私の手を引いて歩き始める。


「空港内のホテルはもう押さえてるから!いっぱい食べ歩くよ!」

「空港内のホテルって高いんじゃ...」

「問題ありませーん、ふふふ...お金なら腐るほどあるんだよね」

「うわ、悪い顔」


 神代さんに連れられるがままに2泊3日の北海道旅行が始まったわけだが、お金の心配をせずに過ごせる旅行がこんなにも満喫するものだとは思わず、温泉にグルメ、観光など休む暇なく2人で楽しんだ。

 特に温泉が最高だった。

 温泉に浸かった瞬間、疲れた体を芯から温めてくれた。

 サウナも素晴らしかった、水風呂の代わりに雪に飛び込む。

 私も神代さんもふわふわの雪に飛び込みすぐに「冷てえぇ」と飛び出しお風呂にダッシュし温まる。

 こんな贅沢な旅行をしてしまっては、今後自分で旅行に行く時のハードルが上がってしまいそうで若干不安は残る。


「楽しかったね、逢沢さん!」


 そう言って笑う神代さんの顔はとても綺麗で思わずドキリとしてしまう。

 今まで保護されて暮らしていたと語っていた彼女にとって、この旅行でたくさんの初めてのことを経験できてとても嬉しそうだ。

 私ももちろん楽しんだ、神代さんは色々規格外なことをするが一緒にいて楽しい。

 だが、脳の片隅にはあの話が本当なら彼女には今年しかないのだと思ってしまう。

 あのノートはぎっしりと書かれていたが、本当はもっともっとたくさんしたい事があるのではないだろうか。

 できるだけたくさんの事を彼女にさせてあげたい。

 少しでも幸せな時間を過ごしてほしい。


「うん、すごく楽しい。ありがとう連れてきてくれて」

「デレた?逢沢さんがデレた!」


 そう言って神代さんは私に嬉しそうに抱き着く。

 近い、いい匂い、顔が良い、私は恥ずかしくなり離れようとするが抱き着く力が強く離れられない。


「デレてない!てか近い!離れて!」

「ええ~、いいじゃ~ん」


 神代さんはさらに私の顔に頬ずりをする。

 おのれ魔性の女め...!


「いいから離れてー!」

「いやーだ!」


 その後、なんとか神代さんを剥がして帰路に就く。

 明日からまた学校だが、この調子で神代さんと過ごすとなるとどうなるのか予想もつかない。

 でもまあ、楽しそうだからいいか...

 ふと、横の席を見るウトウトしている神代さんが私の肩にもたれかかる。


 「おやすみ、神代さん」


 この旅行中、ずっとハイテンションだったので疲れているのだろう、私も楽しくてはしゃぎすぎたせいかウトウトし始めてきた。

 到着まで2時間はあるのだから少しは休めるだろうと、目を閉じる。

 まだあって間もない彼女とこんな旅行をしてしまうのだから人生ってわからないものだなと思いながら私も眠りについた。



彼女の無茶に連れまわされる日々が私の宝物だ

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