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神回避令嬢の秘密 ~100人からプロポーズされたけど無傷でした~

作者: 原雷火

ある美しい国に、伯爵令嬢がいました。

彼女の美貌は、各国の貴族や王族を惹きつけ、次々とプロポーズが舞い込んできました。

しかし、彼女は全員に対して何かと理由をつけてはお付き合いを断っていました。


そのため、彼女は「神回避令嬢」と呼ばれるようになりました。


待ち伏せすれば馬車のルートを変更され、夜襲をかければ屋敷は空城の計。中には回避できないようにと、魔導師80人に封印の魔法陣を作成させ、彼女の領地全体を結界に閉じ込めるという手段までとられました。


神回避令嬢はうっかり紅茶をこぼして、封印魔法陣の一部を汚し、結界発動後にそのほつれをたどって回避したのです。


告白者の一人。西の大魔導師の男のレポート一冊分にも渡る恋文は、無駄に終わりました。


とある貴人に恋文を持たされた暗殺者も週に一回はやってくるのですが、毎回、ピンポイントで彼女は屋敷にいません。

あまりにいないものなので、暗殺者は神回避令嬢が実在しないのではと勘ぐるほどでした。


どのような刺客も罠も、時には永遠の迷宮と呼ばれる遺構に閉じ込められても、彼女は必ず生還し、なおかつ誰からの告白も受けないのです。


パーティー会場ではひときわ目に付き、誰もが見とれてしまいます。

一緒にダンスを踊った男性はそれだけで英雄扱いでした。


ただ、告白のタイミングになると彼女はいつの間にか、男たちの腕の中から消えてしまいます。


なぜか?


彼女には未来視の力があったのです。


だから、いつ、誰が、どのようにして告白してくるのかわかっていました。


それだけなら、素敵な殿方と懇意になればよかったのですが――


未来視は見せます。


自分が告白されると、風が吹けば桶屋が儲かる的な感じで、最終的に国が滅びてしまうという不幸な結末を。


神回避令嬢はすべてを知っていました。


自分は誰にも愛されてはいけないのだ……と。


恋に憧れる気持ちも焦がれる想いも、生涯無縁でなければ。


彼女にとって未来は絶望の黒で塗りつぶされていたのです。


そんなある日のこと。


彼女は国賓として隣国に招かれました。そこでは、なんと百人の男性からプロポーズを画策していたのです。


社交場の男たちは全員が、神回避令嬢を狙います。


ついに100対1の戦いに引きずり込まれてしまいました。


もちろん――


この日が来ることを知っていた令嬢は、事前に様々な手段を用いて全員のプロポーズを回避しました。


献身的な執事の青年と二人で、彼らの凶行から身を守る術を考えてきたのです。


彼女はお酒に酔ったフリをしたり、ダンスで転んで記憶喪失を演出したり、突発性の風邪をひいたと言って別室で休憩を挟んだかと思えば、突然料理コンテストを開催して皆を混乱の渦に叩き込みました。


告白者たちは一人、また一人と数を減らしていきます。


そして、最後のプロポーズを回避するために、執事が会場に大量のネズミを放ちました。皆がパニックになっている間に、令嬢はそっと会場を抜け出し、自身の住む屋敷に無事、帰り着きました。


「また一つ、国が滅びる未来を回避できたわ」と彼女はほっと一息つきました。


むなしさが胸に広がります。

誰からも愛されないまま、自分は死んでいくのです。


ならいっそ――


屋敷の二階から彼女は身投げをしようとしました。


国が滅びないためには、これしかなかった。


しかし――


彼女は後ろからぎゅうっと抱きしめられたのです。


「いけませんお嬢様」


献身的な執事の青年でした。


この時、神回避令嬢の胸がトゥンクと高鳴りました。


彼はどんな時でも影となり、彼女のプロポーズ回避を手伝ってくれました。


誰からも愛されてはいけない。


そう、思ってきた令嬢は、命を捨てようとした間際に、ついに自分の心に気づいたのです。


「ずっと……気づかないふりをしてきました。わたくしは……あなたのことが……好きなのです」


執事の青年に告白してしまいました。青年は最初「えっ」と目を丸くして驚きましたが、すぐに受け入れて「嬉しいですお嬢様」と、身分違いな恋だろうと構わず、彼女を抱きしめました。


ついに神回避令嬢は捕まってしまいました。逃げることもできませんでした。


ただ一つ違っていたのは――


彼女は愛されるのではなく、愛することにしたのです。

未来視は執事との身分違いの恋の苦労を描きましたが、国が滅びることはなく、二人が幸せに結ばれることが、一年先に約束されていました。


めでたしめでたし。

※制作にAIを利用しています。

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