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第5話




 露店といっても色々だ。

 街の通り沿いに店を構えるもの。

 広場のような所に固まるようなもの。

 移動販売のように場所を変えながらのようなもの。


「はい、カード確認終了っと」


 ギルドカードを返して貰うと広場のような所へと入る。

 ここはこの街で唯一無料で店を出せる場所らしい。

 ただし商業ギルドに入っていることが条件だ。


 入らずに誰かに場所代を払って店を構えるのか、それともギルドを利用してこうして場所を提供して貰うのか。

 まあそれは人それぞれなのだろう。

 そう思いながら指定された広場の奥に移動すると、明らかに1カ所だけポツンと空いている場所があった。

 どうやらここらしい。

 最近色々調べて分かった最初から持っている大き目のバッグに手を突っ込むと折り畳み式のテーブルを出す。

 このバッグはどうやらラノベでよく登場するマジックバッグのようで色んなものが入る四次元ポケットだ。

 取り出したいものを頭に思い浮かべて手を突っ込めば良いらしい。

 世の中便利になったものだなんて意味不明なことを考えつつも、テーブルを2つセットして椅子も用意する。

 今日は日差しもあるのでパラソルも必須だなと、それなりの手つきで場所を整える。

 両隣が結構空いていたので「お隣に引っ越してきましたアタック」として商品をプレゼントすることによる口コミ効果を期待した計画も失敗してしまった。


「まあ、気にせずいこうか」


 それなりの金はある。

 これが尽きる前までにこの世界での商売を学んで売り上げを上げられればいい。


 最悪ポイントで食事も買えるのだ。

 しばらくは大丈夫だろう。

 そして準備は整った。


 まず左側は食料系。

 いきなり白パンなどアレだと思ってフランスパンをチョイス。

 手頃な大きさにカットし、縦に切れ目を入れてハムとチーズにマヨネーズを少々。

 以上、終わりである。

 これで食料面では様子見することにした。

 シンプルにはしたが、騒ぎになる可能性も否定できない。

 しかしこれぐらいから受け入れて貰えないと通販スキルの大半が使えずにゴミスキル一直線である。

 なので多少のゴリ押しも大丈夫かも含めての検証となる。


 近場の黒パンと呼ばれるクッソ硬いせんべいクラスの奴が銅貨1枚だった。

 なのでウチのフランスパンサンドは銅貨5枚と強気の設定。

 まあ売れなきゃそれはそれだ。


 次に飲み物もある。

 普通にドリンクサーバーを設置した。

 これならレバーを引くだけで飲み物が出る。

 コップ等があるなら割引するという感じで無ければ格安の紙コップだ。


 これも5%ジュースなら銅貨2枚+コップ代で鉄貨5枚

 100%ジュースなら銅貨5枚である。

 キンキンに冷えているのだから当然の値段だ。


 そして右側は刃物等だ。

 包丁や鉄の剣に鋼の剣など。

 槍も2本ほど用意してある。

 ナイフもシンプルなものからサバイバルナイフまで様々だ。


 剣は異世界通販の方で購入した品で、品質が良い。

 ポイント的には銅貨10枚ほどで購入した鉄の剣だが―――


 *鑑定スキル


 ■鉄の剣(最高級品)

  鉄で出来た剣。

  キズ1つ無い新品。


 *付与特性:切れ味向上+1


  平均価格:銀貨1枚~3枚


 ボロ儲けやないか~い。

 思わず心の中で叫んだよ。


 本来なら銀貨2枚ぐらいで交渉して~なんて考えるのだろうがこっちは銅貨50枚で売っても損しない。

 いや、最高だね。

 他のも大半が同じような感じなので利益を考えて粘り強く交渉なんてしなくてもいい。

 まあ、あまりにも譲歩し過ぎるとダメなので加減が必要ではあるけど。


 利益を考えなきゃならないのがサバイバルナイフだろう。

 こっちは普通の通販スキルの品だ。


 *鑑定スキル


 ■サバイバルナイフ(最高級品)

  異世界の技術で作られた万能ナイフ。

  多種多様な用途で使用出来、柄の中には釣り用の糸と針が入っている。


 *付与特性:切れ味上昇+10

       状態異常耐性+5

       必殺率上昇+5


  平均価格:未取引につき不明


 デスヨネー。

 コイツに関しては俺自身が価値を付けなきゃならん。

 下手に安くても困るし、かといって高いと誰も手を出さない。

 ポイント的には銀貨1枚で購入したものだ。

 平均的なナイフだと銅貨3~5枚程度が普通である。

 投げ用の扱いが悪いものだと鉄貨10枚とかになることもある。


 そんな中でコイツのナイフとしての価値を証明しなきゃならんのか。

 まあ単純にチートスキルでボロ儲けよりもこういった愉しみがあった方が張り合いがあって良い。


 と言った感じで様子見が大半と言った感じにはなったが、どうなることやら。








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