第23話
あれからついに1ヶ月ほどが経過した。
つまりアレだ。
ダン達の卒業である。
本音を言えばぜひこのまま従業員として働いて欲しいが、彼らには彼らの夢がある。
ならばこちらは、それを応援すると共に、それを最大限生かすのみ。
地味に最後の1週間ほどは、引退した元高ランク冒険者の方々を雇って彼らを鍛え直して貰っていた。
彼らを放流してスグにボロ負けしたり壊滅されたら後味悪いのもあるが、宣伝にすらならないからね。
初心者達は、どうも身軽だったり無駄に重装甲だったりとスタイルが安定していない。
その辺も含めて1から指導して貰ったので、かなりマシになっただろう。
彼らに集まって貰って装備を渡す。
そして奥で装備して貰っている。
ダンのイメージが強いが、実はジークがリーダーらしい。
■ジーク
*ケルトハット
鉄で出来た麦わら帽子のような兜。
大きな帽子型なので斜めを向けば顔を隠せるので矢の撃ち合いや投擲物対策に便利。
軽さもあり視野も確保しやすいので初心者向けと言える。
*ゴルジェ
首元を覆う板金防具。
見た目よりも軽く、そこまでの防御力も無いが、無いよりはるかにマシ。
致命傷を負わないようにするためだけの防具。
*鎧トカゲの皮鎧
厚手の布のコートのような服に鎧トカゲの皮を縫い付けて鎧のようにしたもの。
鉄並みに頑丈なトカゲの皮のおかげで、軽量かつ鉄の鎧に匹敵する防御力がある。
フルプレートと違い、動きやすいのも特徴。
*鉄のガントレット
鉄で出来た普通のガントレット。
手を守るための装備。
*鋼の足鎧。
鋼で出来たブーツ型の足鎧。
付属で膝まで防御してくれる鋼板付き。
*大爪熊の皮盾
木の盾に大爪熊の皮を張り付けた盾。
鉄の盾に近い防御力を得るが、1m超えサイズでそこそこ重い。
それでも駆け出しが持つにしてはかなりの一品。
*巨大魚の斧槍
凶暴な巨大魚の素材を丸ごと使った槍で、鉄の槍並みの強さがある。
軽くて片手で振りまわせるため、初心者向けのハルバート。
ジークは最前線のタンク役であるため盾でしっかり相手の攻撃を受け止めつつ槍で牽制というのが望ましい。
なので彼にはタンクとしての動きを徹底して教え込んでもらった。
初心者がいきなり相手の攻撃を見切って回避しつつ攻撃など出来る訳がない。
弓矢を見て回避も無理だろう。
だからこそ身体をほぼ隠せる1m超えの盾が必須であり、それを持って振り回せるだけの筋力が必須なのだ。
そしてタンクだからこそ余計な攻撃を考えずに済み、牽制攻撃主体でありながらも、いざという時に大きな一撃が放てる斧槍にした。
■ダン
*ケルトハット
鉄で出来た麦わら帽子のような兜。
大きな帽子型なので斜めを向けば顔を隠せるので矢の撃ち合いや投擲物対策に便利。
軽さもあり視野も確保しやすいので初心者向けと言える。
*ゴルジェ
首元を覆う板金防具。
見た目よりも軽く、そこまでの防御力も無いが、無いよりはるかにマシ。
致命傷を負わないようにするためだけの防具。
*鎧トカゲの皮鎧
厚手の布のコートのような服に鎧トカゲの皮を縫い付けて鎧のようにしたもの。
鉄並みに頑丈なトカゲの皮のおかげで、軽量かつ鉄の鎧に匹敵する防御力がある。
フルプレートと違い、動きやすいのも特徴。
*鎧トカゲの皮のガントレット
皮製のガントレットに鎧トカゲの皮を一部縫い付けたもの。
手を守るための装備であり、鉄製よりも一部防御力が落ちるが指先の自由さが違うため装備したまま器用なことが可能。
*鋼の足鎧。
鋼で出来たブーツ型の足鎧。
付属で膝まで防御してくれる鋼板付き。
*極彩色の弓
色彩鳥のボスである極色彩鳥の素材で作った弓。
カラフルな羽根で目立つ反面、様々な恩恵が受けれる初心者~中級者までの憧れの一品。
*巨大魚の牙剣。
凶暴な巨大魚の牙で作った、鉄の槍並みの強さがある剣。
軽くて片手で振りまわせるため、初心者向けの剣である。
ダンは遊撃手であり弓兵がメインの剣士がサブらしいので、こういう装備にした。
特にメインはコレ。
■極彩色の弓
色彩鳥のボスである極色彩鳥の素材で作った弓。
カラフルな羽根で目立つ反面、様々な恩恵が受けれる初心者~中級者までの憧れの一品。
*付与特性:力+5
魔力+5
回避率+5%
命中率+5%
必殺率+5%
地形効果:森(小)
挑発+20%
平均価格;金貨30枚~50枚
挑発効果がある斥候・遊撃手ってどうなのよと思わなくもないが、その他の能力値が地味だけど優秀だ。
何より森だと常時地形効果の恩恵でステが微増しているのも魅力である。
■極彩色の矢
極彩色鳥の素材で作られた矢。
鉄より丈夫で様々な能力が付与されている。
*付与特性:麻痺(小)
混乱(小)
盲目(小)
鈍足(小)
毒(小)
平均価格:銀貨1枚~2枚
そして1本銀貨1枚とかいう、まさに札束を撃つような矢を50本も持たせてやった。
まあ当分は怖くて普通の木矢や鉄矢を撃つだろうけど。
あとは、とにかく身軽にしてやったぐらいか。
ケルトハットは、薄い鉄の麦わら帽子みたいなのだが、これさえ装備してりゃ大半の頭への攻撃は軽減される。
斜めに首を傾けるだけで大きなツバが顔全体を覆い隠してくれるため上からの攻撃に強い。
更に首回りまで固めておけば、正面からの矢1発で致命傷を負うなんてこともないだろう。
■タリサ
*鋼の兜
鋼で出来たフルフェイスタイプの兜。
薄いためそこまでの防御力がある訳ではないが、鋼製であることもあり矢が刺さるほどではない。
*祈りの首飾り
ただの色付き石に見えるが魔宝石である。
使用者の無事を願った祈りの魔力が込められた一品。
*鎧トカゲの皮鎧
厚手の布のコートのような服に鎧トカゲの皮を縫い付けて鎧のようにしたもの。
鉄並みに頑丈なトカゲの皮のおかげで、軽量かつ鉄の鎧に匹敵する防御力がある。
フルプレートと違い、動きやすいのも特徴。
*鎧トカゲの皮のガントレット
皮製のガントレットに鎧トカゲの皮を一部縫い付けたもの。
手を守るための装備であり、鉄製よりも一部防御力が落ちるが指先の自由さが違うため装備したまま器用なことが可能。
*鎧トカゲの皮の足鎧。
皮製の膝から脛を守る足鎧に鎧トカゲの皮を追加したもの。
下手な鉄製品よりも頑丈で伸縮性があり、軽量でもある。
*鎧トカゲの皮のブーツ。
鎧トカゲの皮を使ったブーツ。
その硬さと軽さもあって非常に使いやすい人気のブーツ。
更に追加で『転倒防止の魔宝石』が縫い込んである。
*巨大魚の骨大剣
凶暴な巨大魚の大骨から作り出した大剣。
骨でありながら鉄よりも固く、鋼に近い強度を持つ。
しかも骨であるため軽量で扱いやすい。
非常に人気がある一品なので巨大魚が生息する近くでないと、まず見かけることがない。
タリサは、パーティーのアタッカーということで大剣を持たせて身軽にした。
最初は全身鉄装備でしかも鉄の剣がメインだったらしい。
それだとパーティー火力が出ないし、何よりそれだと力のある男2人にアタック役を譲ってタンクを引き受けた方がマシだろう。
ということで、引退冒険者のオッサンも同じ意見だったらしく筋トレをさせながら大剣を持たせて両手持ちの火力を求めさせた。
あとは比較的重量にならない兜だけは完全に顔を覆うことで防御力を高めさせたぐらいか。
フルフェイスは視野が狭くなるが、それだけ防御力がある訳だし、アタッカーなら問題ないだろう。
旅立ち当日には鉄の大剣ぐらいまでなら振り回せるようになっていたが、冒険者とはどんな時に戦うか解らない。
連戦ともなれば疲労もあるし、そういった時でも頑張れるようにと軽量大剣を探して購入した。
■ララ
*鎖帷子付き厚手のフード
元々あった厚手のローブに縫い付けられて追加されたフード。
鎖帷子付きであるため、多少攻撃を軽減する効果がある。
着脱が容易なため、あまり邪魔にならない。
*祈りの首飾り
ただの色付き石に見えるが魔宝石である。
使用者の無事を願った祈りの魔力が込められた一品。
*鎧トカゲの厚手のローブ
厚手の布のローブに鎧トカゲの皮を縫い付けて鎧のようにしたもの。
鉄並みに頑丈なトカゲの皮のおかげで、軽量かつ鉄の鎧に匹敵する防御力がある。
元がローブであるため着脱がしやすくそこそこの防御力と軽量さを併せ持つ。
*魔術師のグローブ(ソケット付き)
魔力を通すことで鉄並みの強度になる特殊な布で出来たグローブ。
そのため伸び縮みする布などの表現をされることもある。
そこにソケットを追加して魔宝石を3つほど入れることが出来るようになっている。
これにより、最低ランクではあるものの攻撃魔法を無詠唱で使用可能になるが、あくまで魔宝石の使用回数分しか使えない。
*鎧トカゲの皮の足鎧。
皮製の膝から脛を守る足鎧に鎧トカゲの皮を追加したもの。
下手な鉄製品よりも頑丈で伸縮性があり、軽量でもある。
*鎧トカゲの皮のブーツ。
鎧トカゲの皮を使ったブーツ。
その硬さと軽さもあって非常に使いやすい人気のブーツ。
更に追加で『転倒防止の魔宝石』が縫い込んである。
*聖者の杖
見た目は鉄で出来た白色の杖。
しかし内部に芯が通っており、その芯がミスリルである。
また杖の上部についている魔宝石も通常のような微量な魔力上昇ではなく、使用魔法の効果を僅かに上昇させる効果を持つ。
ララは、後方支援のヒーラーだということで前に出ない装備にした。
そして万が一を考えて軽量かつ防御力がそれなりのものを用意。
緊急時に攻撃にも転じられるように魔宝石の中でも魔力を通すだけで一定の魔法が出る加工された魔宝石を採用。
これにより彼女の価値は大幅に向上する。
……もちろんパーティーで一番の金食い虫化もしてしまうが。
まあそれで一気に崩れられても困るし、下手にケチって負傷されると面倒なので魔宝石に魔力を注入出来る魔道具をセットであげることにした。
結構な値段がしたが、これで壊れるまではバンバン使えるし、自分で補充出来るのだからハードルは低くなっただろう。
全員が装備を整えて出てくると店内では、冒険者達のざわめきが凄いことになった。
そりゃ当然だろう。
完全に見た目が装備に似合っていない新人冒険者だもの。
本人達が一番困惑してるのではないだろうか。
特に頭部や各種部位に関しての致命傷を避ける装備を徹底した。
厚手の布やモンスターの革は馬鹿に出来ない防御力があるし、万が一の際にも傷が軽くなる可能性が高い。
例え薄くとも鎖帷子や鉄板1枚あるかどうかで生死が決まることだってある。
その最たる例が頭部だ。
剥き出しの頭ほど危ない所はない。
それこそ腕力がある奴や、高い場所から低い場所への投擲。
その1発が頭に当たるだけで脳震とうを起こして倒れることだってある。
戦場で気を失うなんて死ぬのと同じだ。
だからこそ最低限、鉢金だけでも身に着けておけばお守り代わりにはなるだろう。
……流石に鉢金とかになると、実際にちゃんと役立つかは知らんけど。
流石にここまでの新品フルセットが貰えると思っていなかったのだろう。
物凄く申し訳なさと遠慮の塊みたいなお気持ち表明をされてしまったが、こちらもこちらでメリットがある。
良い装備がいっぱいあるんだぞという宣伝になるし、何よりそれで彼らが有名になってくれれば『彼らの装備を提供した店』として更にガッツリ儲けることだって可能だ。
彼らを見送りに来た引退冒険者のオッサンも「その装備に似合う男になればいい」なんてカッコイイことを言っていた。
結局、元気良く去っていった彼らを見送った後は、店に戻っていつも通りの営業だ。
ちなみに彼らが冒険者ギルドに顔を出すと、やはり装備一式に驚かれたらしい。
更には洞窟迷宮に挑んだ彼らは、今までの最高到達階である5階を大幅更新して10階のフロアボスを倒して帰ってきた。
おかげで、少し騒ぎになったそうな。
そして次の日。
何故か低ランク冒険者からCランク冒険者までのいくつかのパーティーが装備のために働かせてくれと頼みこんできた。
気持ちは解るが、それでいいのかね?
あと別に彼らの活躍は装備だけじゃないんだけどね?
中には、明らかに装備や金銭目的っぽいのも居たので、とりあえずその場で一度解散させた。
まあ、こういうのは改めて冒険者ギルドを間に挟ませる方が無難なので、そっちに話を持っていくことにした。
これにより、前々から話に出ていた冒険者を都市防衛の一部とする案を詰めることになる。
おかげで領主様とやらが出てくるらしい。
権力者など面倒だなぁ。
……ん? 領主?
■解説
*鉢金
よく時代劇等に登場する武士が頭に巻いているハチマキに金属の板が付いているやつ。
最低限の防御としてお金の無い下級武士等に人気があったらしい?
折り畳み式などもあったそうで、謎に利便性が求められていたことを考えれば一定の需要はあったんでしょうね。
ただ槍や弓矢に鉄砲相手だと、そこまで効果があったか疑わしいですが……。
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