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第10話




 日本のレトルト食品は偉大だなぁ。

 などと思いながらの旅だった。

 特に苦労も無く、彼女らにおんぶに抱っこ。

 その分は、快適なキャンプと食事に報酬という対価を支払っているということで。


 途中何度かファンタジーお約束のモンスターとの戦闘になったが、この辺りに出てくる野生のモンスターとやらは強くないらしい。

 あっという間に蹴散らされた。

 そして何故こんなに広い土地があるのに放置して街に固まっているのかも理解する。

 要するにモンスターへの恒久的な対処が難しいのだ。

 学者が居る訳でもなく、どういう原理・生活などで出てくるのかもわからない。

 場合によっては兵士よりも強いバケモノ。

 そりゃ街などに固まって大きな壁や扉の中で安心したくなるはずだ。


 逆にそういったリスクを負って旅をするからこそ、色々な恩恵がある訳で。

 その1人が行商人……つまり俺だ。

 まあ俺の場合はスキルの関係で旅になど出るつもりないけどね。


 色々と考えているウチに見えてきたのが、目的地だ。


 地方都市『エーアイ』


 ラングレー同様に国境に面した地方都市だが、周囲を森や山に囲まれている土地だ。

 一応険しい山を越えると海があるらしいが、山が色々と面倒なので実質無理らしい。

 そのため内陸の何もない都市であるはずだった。

 しかしエーアイには『迷宮』という金のなる木がある。


 ■迷宮

 『いつ、誰が作ったのか解らない地下迷宮。

  中には必ずモンスターが生息しており、非常に危険な場所である。

  しかし同時に地上では決して見ることが出来ないほどのお宝が出てくることもあるらしい。

  そのため腕に自信のある冒険者という何でも屋が、奥深くに存在するというお宝を探しに突入していくそうな。

  まさに人生をチップにしたギャンブルである』


 そんな街で商売をやり直す。

 今度は客も多いだろうし、その分だけ色々面倒かもしれないが、こちらも自粛する気はない。

 いっそガッツリ稼いで下手に手出し出来ないようにするか、短期間で荒稼ぎしてまた違う所に逃げるのも悪くない。

 せっかくの異世界だし、そうやって旅をメインにするのも悪くない。

 最悪、旅の路銀はなんとでもなる訳だし。


 国境の時も多い人だかりだったが、それの倍は居るだろう行列。

 何でこう入る時のチェックは長いのか。

 もっと効率化すれば不満も出来ないだろうに。

 地方都市でコレなのだ。

 王都とかヤバそう。


 そして当たり前のようにリシアさんのおかげで行列に並ばずに街に入ることが出来た。

 お互い冒険者ギルドに用件があるので、場所を教えてもらうついでに一緒に行く。

 かなり景気の良さそうな街で、賑わいが凄い。

 ラングレーとの違いは、明らかに冒険者だと思える連中が多いことか。


 解りやすい看板の付いた巨大な建物。

 冒険者ギルドに到着するとそのまま中へと入る。

 入ると左側と正面にカウンターがあり、右側は腰ぐらいの仕切りがあって明らかに酒場っぽくなっている。

 色んな見た目の連中が酒を飲んでたり真面目に話し込んでいたり。

 いや~、ファンタジーだな~っと改めて思う。

 そんな中、正面の列に並びながら色々と見る。

 どうやら左側はモンスター素材の買い取りみたいだ。

 乙女の旗のメンバーがリシアさんを除いて全員そちらの列に並んだ。

 

 そのままリシアさんと適当な世間話をしつつ列を待っていると、ようやく順番が回ってくる。


「おう、次はなんだ」


 スキンヘッドの明らかに2mぐらいあるマッチョが、鋭い眼光で睨んできた。

 指名手配犯かな?ってぐらいの雰囲気だ。


「あれ?アレクさんが受付やってるんですか?」


「ああ?何だリシアか。人手が足りんのだ。もう少しすれば落ち着くんだがな」


 気軽に話すリシアさんに『もしかして:知り合い?』と某Webの検索ワードみたいなものが浮かんだ。

 するとこちらの困惑を察したのか説明してくれた。


「紹介するわ。こちらアレクさん。冒険者ギルドのギルドマスターでありギルド協会のギルドマスターでもあるの」


「アレクだ。ここは少し特殊な街でな。兼任している方が上手く対応できることの方が多いんだ」


「シンです。行商人をしてます」


 無難な挨拶をすると、リシアさんがアレクさんに事情説明が必要なことがあると言い出した。

 それを聞いたアレクさんは、ため息を吐くと奥に居る何人かに声をかけてから席を立つ。

 奥に案内されると、応接室のような所に通された。

 そこで改めて俺がこの街にやってきた経緯をリシアさんが話し始める。

 それはギルドマスターに話す必要あるのか?って思ってが、必要あるっぽい。


「―――なるほどな。あまり良い話は聞かなかったがそうなったか」


 何度か頷くと、こちらを見て言い聞かせるように話をする。


「心配しなくてもここなら問題ない。領主様は良い人だし、もし追手とやらが来てもスグに排除されるだろう」


 アレクさんがそう言った時だった。

 ノックが鳴ったと思ったら、黒髪巨乳の美人さんが入ってくる。


「私もあまり暇じゃないんだけど」


 部屋に入りながら困った顔でアレクさんへの苦情を口にする女性。


「文句ならそこのリシアに言え」


「あら、リシア様。お久しぶりです」


「お久しぶりですユーリさん。あと様はちょっと」


 ふむ、まるで解らん。

 という顔をしていたからか、リシアさんが説明してくれた。


「この人は、ユーリさん。商業ギルドのギルドマスターで目の前のアレクさんの奥さんよ」


 なん……だと……ッ!?

 2m超えの巨漢スキンヘッドマッチョと黒髪巨乳美女が夫婦だなんて。


「―――これが美女と野獣ってやつか」


「ああ?何だってぇ?」


 思わず心の声が口から漏れ出たようだ。

 アレクさんは不機嫌そうな顔になり、リシアさんとユーリさんは思わずといった感じで吹き出していた。


「いやいや、褒めてるんだぜアレクさん」


「は?」


「凄いじゃん。どうやってこんな美人さんを口説いたのよ?」


「へ?」


 俺の態度に困惑し始めたアレクさん。

 それに何故か参加してきたのは、ユーリさんだった。


「とっても熱烈なアタックだったわ。それはもう―――」


「い、今その話は関係ないだろっ!?」


 顔を真っ赤にして慌てるアレクさんを見てると大柄で照れ屋な熊に見えなくもない。

 ……なるほど、ギャップ萌えというやつか。


 そんな下らないことを考えている間にユーリさんにも俺の事情が説明される。

 すると再起動したアレクさんからとんでもない言葉が出てくる。


「お前、今いくら持ってるんだ?あと売り物はそれなりにあるのか?」


「……それは答えなきゃダメなんですか?」


「それが解らんと紹介しようがないからな」


 もう少し詳しく説明してくれてもいいじゃないと思いながらもオリハルコンの斧の代金である金貨130枚と説明する。

 あと売り物もそれなりにあるとも言っておく。

 ……まあ道中のモンスターが大量のポイントになってくれたおかげで、正直かなりの余裕があるけどね。


 するとアレクさんとユーリさんは、何故か街の地図を出してきて色々話始めた。

 どうやら空いている家や店の話をしているようだ。

 そういうのって俺が自分でやることなのでは?


 何か護衛がどうこうとか、勝手に話が進む。

 本人不在の空き家選びは、結局メイン通りから少し離れた場所。

 どちらかと言えばギルドや迷宮がある場所に近い場所。

 2階建てで1階部分がそれなりの広さの売り場。

 2階と地下室が倉庫扱いとなっているらしい。

 住居を2階にすればいいじゃないと思ったが、それは止めた方が良いと言われてしまった。


「万が一にでも夜盗なんかに押し込まれたら、商品取られるついでに殺されるぞ」


 らしい。

 まあその方が後腐れもないよね。

 となると店舗で寝泊まりすれば宿代が浮くと思っていたので、その分の宿代が負担だなぁ。

 しかも当面の間は、例の貴族の追手というか報復などがあるかもしれないから護衛を雇うべきだと言われた。

 引き続き乙女の旗が引き受けてくれるらしいが、彼女らのようなランクを雇うとなると1日で金貨1枚ぐらいはかかる。

 だが今回は、ホームであるこの街で当面休むらしく、そのついでに護衛をするので格安で良いと言われてしまった。

 本来ならあまり値段を下げると他の冒険者に迷惑がかかるのでダメらしいが、この場限りの話ということでOKとなった。


 その後、細かな話を色々と聞かされた。

 例えば薬草やポーションと呼ばれる薬等に関して。

 これらは固定の買い取り価格があり、買い占めなども禁止されている。

 特にこの街は冒険者が多く、迷宮が2つもある関係で怪我人も多い。

 回復魔法は使い手が少なく、薬草などは非常に需要が多い。

 そのため一定価格で安定供給することとなったらしい。

 まあそれ以外にも街にとって緊急性が高いと思われるものは、平均的な値段でギルドに売らねばならんらしい。


 ……そりゃこんなににぎわっている街なのに空き店舗がある訳だ。


 つまり例えば薪が1束銅貨20枚であったとする。

 冬に薪が売れると思って1束銅貨15枚で大量に仕入れたとしてだ。

 いざ冬になると例年よりかなりの寒さで凍死者が出そうなレベルになった場合。

 1束銅貨40枚でも飛ぶように売れる薪を『市民から凍死者を出さないため』と称して1束銅貨20枚で売れと強要出来るということだ。

 商人側からすればそんなバカな話はない。

 何か月も前から金と労力をかけて下準備をし、ようやくその利益を回収出来るとなった段階で『街のために利益を捨てろ』と言われるのだ。

 しかもそれをした所で儲けなどなく、ギルドや領主に多少の恩が売れる程度。

 例のようにまだ多少なりとも儲けがあるならともかく、もしそれでマイナスならどうだ?

 1束銅貨25枚で用意して40枚で売っていたのに20枚で売れと言われたら?

 とてもではないが大きく稼げないし、何ならその恩とやらを回収する前に利益が出ずに借金から商売がダメになって店を畳むハメにすらなりかねない。


「―――それは」


 それらを指摘すると誰もが黙った。

 図星だったのだろう。


「そういう時のために、何故ギルドや領主は『余剰金』を持たないのか?」


「確かにこの街は、迷宮2つのおかげで他の街よりも賑やかだが、その分だけ他の街よりも警備を厳しくしなければならん」


 そう言いながら迷宮の場所を指差すアレクさん。


「特に迷宮は『侵攻』という中のモンスターが地上に溢れ出る現象が起こる場合がある。それ対策にどうしても金がかかる」


「解らんでもないが、それを何故領主が兵士を使ってやる必要があるんだ?こういう時こそギルドだろ」


「は?どういうことだ?」


 俺は冒険者達を使うことを提案する。


・日頃の監視は引退した冒険者等を使う。

・冒険者全員に一定期間ごとに詰所で休憩を取るようにさせる。

・新人には引退冒険者が指導しつつ一定期間防衛兵として待機させつつ技術と知識を学ばせる。


 冒険者なんて『やりたいです!』『はいどうぞ!』でやれる職業だ。

 だからこそ初心者が一番死にやすい。


 なので様々な事情で引退した冒険者の知識や技術を新人に教える場を作る。

 新人は一定期間それなりの報酬を貰いつつ、基本的なことを指導して貰えるので生存率が上がる。

 引退した冒険者も仕事になるので生きていける。

 一般冒険者達も定期的に詰所を無料の宿泊所として利用できることで宿代が浮くし、常に複数の冒険者が居れば万が一の時でもスグに対応できる。

 何より警備兵を大幅削減出来て、その分の雇用費も浮く。

 余った警備兵は治安維持にでも回しておけばいい。

 こうすればこれ以上の余計な雇用をせずに済むし、冒険者ギルドの街への貢献度も上がる。

 何より新人が死ににくくなれば全体の冒険者の数も質も向上するというものだ。

 更にそこに商業ギルドだ。

 街の防衛のために詰所を利用する冒険者に対しては武具の手入れなど一番お金がかかる部分に優遇措置を取る。

 店と連携して割安で武具の修理や購入が出来るとなれば、より利用者も増えるだろう。

 素材の買い取り価格を10%ほど上げるというのでもいい。

 最初は金がかかるだろうが、安定すれば今よりもグッと財源が余るようになるはずだ。


「―――なるほどなぁ」


 ざっと説明をすると俺以外の3人が唸り出す。

 そして俺の意見を叩き台にして様々な意見を出し始める3人。


「―――とりあえず店貸してくれるなら店を見たいんだが?」


 俺の一言にハッとした3人は『この件は後で』と言って地図をしまう。

 そしてリシアさんとユーリさんの2人が店の場所へと案内してくれるらしい。

 これで片方が人妻でなければ両手に花だと思えたのだが。


 冒険者ギルドと商業ギルドは隣り合っており、そこから少し移動した所に店があった。

 更にここから奥に行くと迷宮がある方向へと行けるらしい。


 店はしっかりとした木造の建物で、多少年季が入っている部分もあるが思ったより綺麗だった。

 地下室は石造りで思ったほどの広さではなかった。

 2階も同様に1階の半分ほどの面積しかない。

 まあ倉庫代わりや、何かに使う場所と考えればいいか。

 最初の店としては申し分無かったのでそのまま借りることにした。

 賃貸物件で1年間で金貨50枚というお高い物件だったが、街の中心地に近いのもあって高いらしい。


 店舗確認を終えて外に出ると、もうすっかり夜だった。

 ユーリさんに金貨と引き換えに店のカギを貰う。


「じゃあ頑張って下さいね。個人的にも応援しています」


 そう言って彼女は帰っていった。


「―――夜道にお金持った女性1人って危ないんじゃ?」


「大丈夫よ。彼女は元Aランク冒険者だからその辺の野盗じゃ勝てないわ。それにこの街でギルマスの奥さんに手を出すなんて……」


 なるほど。

 世の中見た目で判断するなということか。

 そして手を出そうものなら巨大クマ―に襲撃されるという訳ね。


「ところで……この後みんなで食事をするのだけど、一緒に来ない?」


 来ない?と言いながら既に腕を掴んで引っ張り始めるリシアさん。

 それはもう選択肢が無いのと同等ではありませんか?

 まあ美人にそうも必要とされるのは悪い気分じゃない。

 何よりおっぱいが腕に当たって役得ではある。

 しかし、あまりにも解りやすいハニートラップにかかってしまったことは、この後スグに理解した。


 街の中心から少し北側に進んだ場所。

 明らかに巨大な敷地に建つ巨大な屋敷。

 その門の前で門兵から挨拶を受けながら中へと入っていくリシアさんに連れていかれる俺。


「ただいま帰りました、お母さま」


「お帰りなさい、リシアちゃん」


 明らかにザ・貴族という女性と抱き合いながら挨拶をするリシアさん。

 薄々そうなんじゃないかと思っていたが、やはり彼女は貴族だったか。


「こちらが例の彼ね」


 ん?

 例の彼???


「初めまして。私はクレア・マイバーン。リシアの母です」


 姉妹に見えなくもないほど若い母親だなぁ。

 これが美魔女というやつか。


「初めまして。行商人のシンと申します。田舎の出なので作法など知りませんが、よろしくお願いします」


 とりあえず年齢不詳のリシア母に挨拶を返しておく。


「あら?お兄様は?」


「あの人と王都に行ったままよ。もうスグ帰ってくるとは思うのだけれど」


 そんな話をしながら食事へと誘われた。

 本来なら全力で逃げたい所なのだが、これはこれでアリなのではないかと。

 この街に屋敷を持っているということは、恐らく領主。

 つまりこの街で色々売って儲ける時に、余計なのが出てくる可能性が高いが、その後ろ盾になって貰えれば安心して商売が出来る。

 となれば交流を行って縁を繋いでおくのは決して悪いことではない。


「こちらをぜひともお使い頂ければ」


 食事を待っている間、魔法バッグから売り物を取り出す。

 とりあえず高級石鹸だけでなくそこそこのシャンプーも用意する。

 更には入浴剤までセットでプレゼントだ。

 これが通用するなら一般向けと貴族向けに別々に販売も可能だろう。

 

 そして何気ない会話を堪能……出来れば良かったのだが。


「どちらからいらしたの?」

「故郷はどういった所で?」

「特産品などはあったのかしら?」

「気候などはどんな感じかしら?」

「ご家族は?」

「どうして行商を?」



 ―――これは尋問ですか?


 圧倒的尋問である。

 完全に田舎から出てきた行商という設定を疑っている。

 というか俺という人物を調べにかかっている。

 ついうっかり口を滑らせてくれないかといった感じで、さらっとした感じで聞いてくるのが怖い。


 事前に作って置いた設定をフル活用し、破綻のないように足りない部分を即席で付け足す。

 後で設定表か何かを書いてもう一度作り込んでおく必要がありそうだ。

 だってここで『実は神様による異世界転生者で~す』って言って通用するか?

 間違いなく頭のおかしい人認定だろう。

 それに今の所、別の転生者の情報などが無いで転生者というものが、どういう扱いになるのかもわからない。


 例えば、うっかり『転生者です』って言ったら拉致られて地球の知識を引き出すだけの道具として一生監禁生活。

 例えば、チート能力をフル活用させられてどこかの国の利権のために死ぬまで働かされる。

 例えば、過去に転生者が居て、そいつのやらかしのせいで転生者=悪として処刑されたり。


 そういったことが無いとは言い切れない。

 なのでとりあえず転生者であるということは、現時点では墓場まで持っていく秘密になる。


 そんな感じで永遠に続きそうな尋問だったが、食事の時間ということで解放される。

 よくある貴族の食堂といった感じの超長いテーブルに料理が置いてある。

 乙女の旗の皆さんも同じく食事をするようで安心した。

 そして和やかに始まる食事。

 どうやら思っていた通り、リシアさんは貴族の娘だった。

 家は、お兄さんが継ぐらしく自分は自由にさせて貰っているらしい。


 乙女の旗のメンバーと一緒に屋敷の離れであり、昔はゲスト用の建物だった所を拠点にして住んでいるとのこと。

 基本的には各自で自由にしているが、たまにこうして一緒に食事等をする仲のようで、決して嫌われている等ではないようだ。

 聞く所によるとどうも領主であり、リシアさんの父親である人は次男であったことで冒険者の道を進んだらしい。

 それなりに冒険者として活躍していたが、不慮の事故によりお兄さんが亡くなってしまい、家を継いだそうな。

 だからなのか、冒険者というものに非常に理解があるらしく、娘のことを心配はしているが後押しもしているみたいだ。


 良い家族だなぁ。

 こんな話を聞いていると、この街で商売を始めるのは正解なのかもしれないな。





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