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第1話

■■注意事項■■

基本的に『そういう世界』であり『そういうことになる』という設定です。

明らかに大幅な矛盾以外は基本的にスルー。

何となく雰囲気とかそういうので察して貰えると。

あくまで『空想物』なので『自分の知ってる知識を当てはめてマウントを取る』という行為はNG。

というか個人の『空想物』に対して『自分の知識』を当てはめてどうこう言う時点で意味不明であると気づいて下さい。


本作が皆様の暇潰しの一助になれば幸いです。






思えばクソみたいな人生だった。


 それなりの学校を卒業して、さあ就職だと思った時には世界的な不景気でどこにも採用されず。

 結局アルバイトからスタートした俺の人生は、派遣社員止まりであり大した稼ぎにもならない。

 そうなると彼女を作るどころか結婚など夢であり、気づけばそれなりのオッサンになっていた。

 そうして両親が他界し、一人になった俺は僅かな年金だけではやっていけず動けなくなるまで働き続けた。

 結果、身体を壊して入院となりそのまま息を引き取った。


「―――死にたくねぇなぁ」


 それが俺の最後の言葉だった。

 俺は神様や天国など信じてはいない。

 死ねばそれまで、全てが消える。

 当然意識も無くなり、永遠の闇となる。

 まあその闇すら認識出来ないのだろうけど。

 そういったのが怖くて、何度も死にたくないと思ったが誰もがそれを回避など出来ない。


 そう思っていた。

 実際に、神様とやらに出会うまでは。


「おめでとう!あなたは記憶を持ったまま第二の人生を歩める権利を獲得しました!」


 全身が光り輝いていてよく顔すら見えない相手から、突然そう言われた。

 周囲は真っ暗であり、宙に浮いているような感覚。

 声からして女性だろうか。


「……それは、もしかして異世界転生ってやつですか?」


「はい、その通りです!正確には転移ですが!」


 それを聞いて俺は正直ホッとした。

 死にたくないと願った俺は、どうやら第二の人生を歩めるらしい。

 全てが消えてしまうと恐れた状態からは、しばらく脱出できるようだ。


「という訳で、何か願いはありますか?ほら、例えば勇者になって世界を平和にしたいとか」


「いえ、そういうのはいいです。どうせなら商売とかしながらのんびり生きたいので」


「ではモノの本質を見切る鑑定スキルなどどうでしょう?あると便利ですよ?」


「ああ、いいですね。ついでに元の世界のものを購入出来る通販スキルとかもあると便利ですよね」


「ああ~あれですかぁ~」


「何か問題でも?」


「まあレベル制にすれば問題ないか。ってなわけで通販スキルが欲しいという願いは受けました」


「そう言えばどうして異世界転生するのでしょうか?何か世界に問題でも?」


「問題というか、今から行ってもらう世界は皆さん大好き中世ヨーロッパっぽい感じの剣と魔法の世界なんですが、少々困ったことになってまして」


「困ったこと?」


「長年、色々とありまして文化レベルというか世界そのものが停滞し過ぎているのですよ。このままの状態が続くと世界そのものが崩壊しかねません」


「……何気にヤバイ設定の世界ですね」


「なのでアナタを転生させることで、世界に刺激を与えようかなと。まあ大量虐殺とか世界征服とかあまりにもはしゃぎ過ぎると困りますが、ある程度はむしろ頑張って下さい」


 つまりアレだ。

 お前世界を何とかしてこいってことか。

 ……無責任じゃね?


「では時間がありませんので、いってらっしゃい。その他色々とこちらで必要そうなスキルを付与しておきましたので問題ないでしょう」


「え?いやちょっとその辺の説明とか―――」


「―――では、頑張って下さいね~」



 こうして俺は、見知らぬ土地に投げ出された。

 見たことも無い服を着て、何故か20歳ぐらいに若返り、大きな肩掛けのカバンを持った状態でだ。


 最初は、勘弁してくれよと思ったが少しづつこれが現実だと実感し始めると心の底から叫んだ。


「異世界転生やっほーーーーー!!!」


 死なずに済んだ。

 クソみたいな人生から開放された。

 そしてきっと頑張ればラノベで散々見てきた良い暮らしが出来る第二の人生がきっと待っていると。


 そのままの勢いで更に叫ぶ。


 ―――ステイタスオープンッ!!!



 …………………

 ……………

 ………



「開かないじゃん」


 あれ?おかしいな。

 異世界転生と言えばステイタスオープンだろうよ。

 何度挑戦してみても、ステイタス画面が開くことはない。

 どうしたものかと考えていると、いきなり目の前が光り輝いたかと思うと1つの封筒が現れた。

 それを恐る恐る手にする。


「―――おっと、これは」


 軽い頭痛と共に情報が流れてくる。

 この世界の言語と所持スキルの使い方。

 全てが頭の中に強制的に叩き込まれた。


「いやまあ嬉しいけどもいきなり過ぎるでしょ」


 そう思っているといつの間にか封筒は消えていた。


「はあ、とりあえず移動するか」


 封筒から受け取った情報ではここから右方向に進めば街にたどり着くとあった。

 だからそれを信じて歩き出す。



*誤字脱字などは感想もしくは修正機能からお知らせ頂けると幸いです。


 26日(明日)までに1時間ごとに4話まで投稿されます。

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