よいちょ
落書きっていったらこういうのよね〜。前回みたいなのもいいけど、紙のふちっこに書いた落書きを見返すのが楽しいんだよね〜。にに。
よいちょ、よいちょ⋯⋯
届かないなぁ⋯⋯
あっ、お猿さん! こんにちは!
最近冷えて来ましたねぇ、今日なんかマイナス40度まで下がるみたいですよ。
あ、はい。そうなんです、届かないんですよ。
えっ! 取ってくださるんですか! いやでも危ないですよ、あんな高いとこ。
あっそうか、お猿さんは木登りが得意でしたね! じゃあお言葉に甘えさせていただきますね、お願いします。
すごいなぁ、簡単に登ってる。さっすがお猿さんだぁ。ボクもいつかあんな風に登れるようになったらなぁ⋯⋯ってそこまで羨ましくもないか。別に木に登れたってそんなにいいことないし。
ていうかなんなんあのお猿。ケツ赤過ぎない? 霜焼けしてるんじゃないの? だってマイナス40度まで下がるって言ってるのに裸なんだよ? バカじゃん。
あ、その横の真っ赤に熟してるやつと、そこのちょうど良さそうなやつをお願いします。そう、それとそれです。
あれ、お猿さん? 降りてこないんですか? なんで柿見つめてるんですか?
あっ、投げてくれた。口大きく開けて丸呑みしよ。
パクっ
冷たっ
余りに冷たすぎて「冷たっ」しか感想出なかったよ。取ってくれたお猿さんに申し訳ないなぁ。
お猿さんなぜかビックリしたような顔してるなぁ。なんでだろ。
あっ、また投げてくれた。ちょっと待って、今回の速くない? 豪速球なんですけど。
パクっ
冷たっ
ごめんなさい、全く同じ感想しか出なかった。
あ、木の上でお猿さんも食べようとしてる。
あー、そうなるよね。だってカチンコチンだもん。マイナス40度よ。
あっ! 危ない!
ぎゃっ! 怖くて目閉じちゃったよ⋯⋯お猿さん、落ちて来ちゃった⋯⋯大丈夫かな。
お猿さん、大丈夫ですか?
らいひょうぶって、大丈夫じゃないじゃないですか! 歯が全部折れてるじゃないですか!
ん? どうしたんです? お尻を指さして。あっ、尻もちついて冷たかったんですか! 歯が全部折れてる状況でお尻が冷たい報告するとは思ってなかったのでビックリしましたよ! さ、ボクのお家に入って暖まってください!
はい、そこの火鉢にお尻を向けて暖めてください。すぐにいつものプリプリおけつに戻ると思いますよ!
どうしたんですかお猿さん! 悲鳴なんか上げて! えっ? 栗ですか?
ちょっとちょっと! そこの水瓶飲み水なんですけど! お尻つけないでくださいよ! ちょっと! うんこしたらタダじゃ置かねぇぞコノヤロー!
ちょっとどうしたんですか叫んで飛び上がったりして! えっ? 蜂ですか?
お猿さんどこ行くんですか! ちゃんと暖まっていかないと凍え死んじゃいますよ!
ちょっとお猿さん転んでるじゃないですか! 焦りすぎですよ! 何を焦ってるのか知らないけども!
えっ? 凍った牛糞につまづいた? 嘘でしょ?
えーーーーーーっ!
なんか屋根からでっかいのが落ちてきてお猿さんが潰されたんですけど! なにこれ!
臼!? なんで臼が屋根から!?
お猿さん、首から上が下敷きになってるけど大丈夫かなぁ。とにかく助けてあげないと。
んぎぎぎぎぎぎ、んにににににに!
ブチブチズルッ!
取れた⋯⋯取れたけど⋯⋯どうしよう、首取れたんだけど⋯⋯周りの雪がいちごのかき氷みたいになってるよ⋯⋯キモい⋯⋯
お猿さん、なんでこんなことに⋯⋯
ぐじゅぐじゅに熟れた柿のようになってしまったお猿さんに聞いてみたけど、答えは帰ってこなかった。
どうしよう。お猿さんの家に届けに行った方がいいかな。お猿さんのお母さんとかに怒られるかなぁ。嫌だなぁ。やめとこうかなぁ。うん、やめとこ。
お腹が減ったので猿鍋を作って食べました。美味しかったけど、足がうんちの味でした。
洗えよ。