夕間暮れ、ふたりきりで──。
四人で遊園地に来た。
地元の有名な遊園地。
私と彼と、友達とその彼氏で、いわゆるダブルデート。
私と彼は付き合い始めて四週間で、まだ一ヶ月にも満たなくて、まだ一回しかデートをしたことがなくて。
デートって何だろう? とか悩んでいたら、友達とその彼氏に誘われて遊園地に来ることになった。
初めは乗り気じゃなかったけど、いま来てよかったと思っている。
ジェットコースターに乗ってみんなで叫んだり、対戦型アトラクションで本気で戦ったり、お化け屋敷に入って彼にしがみついたり。
学校ではあまり見ることのなかった彼の無邪気さや、頼もしさ。
とても充実した日になった。
夕方になり、最後に観覧車に乗ろうと友達が言い出した。
ジェットコースターは好きだけど、観覧車はただ高くて狭い空間に閉じ込められて緩やかに動くだけだから、少し苦手。
でも、彼が乗りたがったから、悩んだけれど乗ることにした。
前のゴンドラに友達とその彼氏、その後に私と彼。
「ふぁっ⁉」
ぼーっと夕暮れを眺めていたら、彼が友達の乗ったゴンドラを見て妙な声を出した。
つられてそっちを見ると、友達とその彼氏がキスをしていた。
無言になるゴンドラ内。
妙に響くゴクリという生唾を飲み込む音。
「っ! あ、あのさ……横に、座ってもいい?」
「ん………………いいよ」
ぐらり。
ゴンドラが揺れる。
近付いてくる彼の顔。
ほのかに赤く色付いているのは夕日のせい?
ふにゅり。
柔らかなものが唇に触れた。
─ おわり ─
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