表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放置令嬢の立て直し  作者: 道野草花
19/77

19

 アルヘルムの結婚相手探しは難航していた。頭の痛くなる思いで、ギルヘルムは自室にて書類を何度も見返した。


「ギルヘルム様、こちらを。」


 今日も追加で分厚い束で候補達の記録紙が渡される。ギルヘルムは目眩を起こしそうになった。


「なぁ…ヨゼフ、誰かいないか。」

「私に言われましても。」

「はぁ…。」


 ヨゼフと呼ばれた男は、ギルヘルムの側近を務めている。平民の出だが、憲兵だった頃、ギルヘルムに剣の腕を買われ、近衛兵に所属となった。剣の腕はさることながら、頭も切れる男であり、近衛隊隊長に上り詰め子爵の地位を与えられた。

 ヨゼフはギルヘルムに絶対の忠誠を誓い、ギルヘルムはヨゼフに絶対の信頼を置いていた。


「そういえば…ルードリッツ家にも年頃の娘がいますよ。」

「マルクスにか?」


 マルクス・ルードリッツはこの国の宰相だ。この国でその名前を知らない人はいないだろう。こんなにも近くにいたのに盲点だった。


「マルクス様はご家族の話になると口を閉ざしますからね。」


 マルクスは仕事に関わる話には饒舌だが、家族の話となると口を開こうとしない。平民の後妻を娶り引け目感じているという噂も飛び交っているが真実は分からない。

 王室が開いたパーティーで一度見かけた後妻の女性は妖艶で美しかった記憶がある。


「娘は美人なのか?」

「そうですね。奥様とはまた違った可憐さをお持ちです。これまで紹介にあがった令嬢の中では群を抜いているかと。」

「よし。それに、ルードリッツ家はジュール国とも繋がりがあったよな。」

「前妻の方が、ジュール国の姫でしたね。」


 ジュール国は今やビスタルクと肩を並べる程の大国だ。繋がりを深めるのに越したことはない。


「ただ、ユリアンヌ様は今の奥様の子ですので…アルヘルム様がお気に召すかどうか。」

「そこは、私が説得する。」


 ギルヘルムはそう言うと、立ち上がってなにやら身支度を始めた。


「どちらに?」

「ルードリッツ領の視察だ。領地を見れば、ルードリッツ家の度合いが分かる。」

「お待ちください!そんな急に…。」

「善は急げというだろう。」

「公務はいかがなさるおつもりですか。」

「これも公務だ。」


 ギルヘルムは地図を取り出し、大きく丸をつけた。


「ここへ行く。」


 ヨゼフが地図を見ると、眠らない町ハイケンに丸がついていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ