1/10
1冊目 行きつけの古本屋の店番が、美幼女だったようです。
「いらっしゃいませー」
古本屋の扉を開けると、美幼女がいた。
年の頃は小6くらい?
むかし見たアニメ映画で、修行中の魔女が着ていたような服を着ている。
いつも店主のおじいちゃんが座っている、店番席にあぐらをかいていた。
せんべいを齧りつつ、茶を飲みながらゴロゴロコミックを読みふけり……あっ、いま尻掻いた。
ふむ。
おじいちゃんのお孫さんかな?
「キミ、おじいちゃんは今日はいないのかい?」
「はい?」
首を傾げられる。
「ここのお孫さんじゃないの?」
「私は、サン・フリルです。
おじいちゃんは、サン王国の上皇様をやってます」
そうか。
異世界モノにかぶれた中二病患者、と。
「相田勇ってひと知りませんか?」
美幼女に問われる。
「俺が、相田勇だけど……」
「ほんとにっ!?」
ぎゅっ!
美幼女が突然抱き着いてくる。
「勇さん、結婚しましょ!」
「お、おい、何言って……」
そう応えながらも俺は、ぺったんこの胸を押し付けられて気持ちよくなっていた。
……あ、服からせんべいの匂いがする。