表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/214

第1話Part3『サヨナラは突然に』

牧野:花火会場 夜


 森羅さんとの一番の想い出は兄と三人で花火大会に行ったことです。

 私は森羅さんとお兄ちゃんが付き合って欲しいと思っていたのでこの時は色々やりました。

 二人だけになるように仕向けたり、恋の話をしてみたり。

 ちなみに私は恋人はできませんでした。怖い兄が後ろに控えていると男の人が寄ってこないんです。

 クラスメイトの男子も私には余所余所しかったですし。

 でもいいんです。こうして森羅さんに出会えて、一緒にカキ氷を食べながら花火を観られる幸せはプライスレスですからね。

 お兄ちゃんも森羅さんにまんざらでもない様子だし、私の計画はうまく行っていました。


牧野:ライブ会場 夜


 私と森羅さんとの関係の終わりは唐突に訪れました。

 夏の終わりの野外フェスで森羅さんが登場することになり、私は大喜びしました。

 そして勢い勇んで会場に行き、私は森羅さんの曲を聴くことになりました。

 曲が始まる前、森羅さんが発した言葉は今でも忘れられません

「真夏の太陽の日差しを浴びすぎると火傷するから、

私は日影に隠れて生きていくことにしました。サヨウナラ」

 その後、森羅さんは透き通るような美しい声で持ち歌の『蜘蛛の糸』を歌い上げました。

 決して報われない恋をカンダタに例えたミディアムバラードで、聴かせる楽曲でした。

 そしてその曲を最後に、森羅さんは私達の前から姿を消してしまったのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ