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短いですが、良いペース?ですかね。
―昼休み 1年5thクラス―
5thクラスは、昼休みなだけあって、ワイワイ、ガヤガヤと賑わっている。
陽介も、例には漏れず、クラスメイトとくだらない話で盛り上がりながら、学園内の購買で買った、焼きそばパンを頬張っている。
「くぅー。やっぱり購買の焼きそばパンは一味違うぜ!!」などと、わけのわからない事を言っている陽介の目の前に、少年が立っていた。
「うほ!!」
気がつかぬうちに、目の前に少年が経っていたことに驚き、「うぉ!!」と言ったところ、頬張った焼きそばパンのせいで、ゴリラの様な声を上げる、陽介は、強引に焼きそばパンを、飲み込む。
「…どちらさんで?」
陽介の質問に答えるように、少年は、自己紹介を始めた。
「あぁ。驚かせた様ですまない。私は、1年1stクラス所属の岡誠だ。尾上陽太は、このクラスだと聞いたのだが、いないのか?」
用件を伝える少年の名は、岡誠。真っ黒なサラサラとした綺麗な髪が特徴的で、鋭い目が気品ある面持ちを更に際立たせている。
顔立に、気品漂う雰囲気。更に、1stクラスときたら、女子からのモテモテ度は、計り知れないだろう。うらやましい…あぁ、うらやまし。
と、ここで1stクラス、が出てきたので、説明しておこう。
光ヶ丘高校では、クラス単位でランク分けされている。
まぁー難しい話では無く、1st>2nd>3rd>4th>5thと実力により、所属クラスが振り分けられる。
基本的には、1年間クラスを変わることは無いが、稀に、1年間を迎える前に、クラスが変わることがある。が、かなり、稀な例である。
誠は、1年のトップクラスに所属する超エリート魔法使いだ。そんなエリートが、こう言っては何だが、劣等性が集まった様な、5thクラスにおいでなすったわけだ、クラスが騒然となるのも、無理はない。
「おいおい。何しに来たんだ?」「おか…岡誠って!」「え!噂には聞いてたけど!」
クラスがザワワとざわつく。サトウキビ畑位ざわついている。
どうやら、誠は、噂にまでなっている位の有名人らしい。
「岡…?って確か、4中戦争を止めたっていう、3大英雄じゃん!1stに居るってのは聞いてたけど、まさか会えるとはね。」
「そうか?そんな大そうな者ではない。それより…」
そう言いながら、誠はキョロキョロとクラスを見回していると、陽介が声を掛ける。
「陽太だったな。陽太は、俺の少年スキップ持ってどっかに行っちまったな…って少年スキップって言っても分かんないか。」
大英雄と言われるくらいだ。いくら少年から大人まで幅広く愛されている少年スキップと言えど、英雄様は、読んだりしないだろうと、考えた陽介だったが、意外な返事が返ってきた。
「少年スキップなら知っているぞ。昔から陽太が読んでいたからな。」
「昔から…!って、陽太と知り合いなの!?」
「だから、こうして尋ねてきているのだ。あいつとは、幼馴染だ。」
「…幼馴染!」
「そうだ。いないのならしょうがない。時間を取らせてすまなかったな。」
そう言って誠は、5thクラスを後にした。
誠が去った5thクラスでは、女子からは、「かっこいい!!」「のんこ、告っちゃいなよ!!」など、ガールズトークで賑わい、男子は、「あいつが、4中戦争を止めたんだろ!!」「俺は、4中戦争時代の岡を実際に見たことあるぜ!!」「あれって3英雄だっけ?4英雄じゃなかった?」等、4中戦争の話で盛り上がっていた。
陽介はと言うと。
「2割で良いから岡成分くれ…。」
心の中で、そう呟く陽介だった。
次回も頑張ります。