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ちょっと遅れました。

大体の人、特に新入生は、初回で魔法教室に入ると、その広さにまず驚く。


陽介も、例には漏れず、驚いていた。さすが、モブキャラ。一般的な反応をしてくれる。


魔法教室の広さは、一般的な体育館を2つ程すっぽり収まるくらいの広さだ。今野が、言っていた大きな大会でも使用されると言っていた意味が理解できる。


更に、魔法教室を囲う様に広い観客席が設けられており、豪華な総合体育館の様な造りになっている。


魔法教室の左奥、教室の先頭に位置する場所に、舞台が設置されている。今野が言っていた著名人の演説などはあの舞台で行うのだろう。


魔法教室の広さや豪華さには驚かされるが、一番驚くべきは、こんな教室が10室も用意されている光ヶ丘高校に驚きである。


陽太と、陽介が教室に入ると、既に5htクラスの生徒は整列していた。


「お前ら、遅いぞ。早くこっちに来い。」


整列した生徒と向かい合う白衣を着た女性、5thクラスの担任を務める、西園寺泉さいおんじいずみ。生徒からは西ちゃん(にしちゃん)の愛称で親しまれている。


歳は、20代後半、赤髪のサラサラとしたロングヘアーに、大きな胸にキュッと締まったくびれのスレンダーな体系をしている。


教師ではなく、モデルだといっても、全く違和感が無い。むしろ、その方がシックリくるだろう。


西園寺に急かされ、二人は小走りで列に入った。


「じゃ、出席を取るぞ。」


慣れた手つきで、名簿を開き上から順に、生徒の名前を読み上げる。出席により、全員そろっていることを確認し、パタリと名簿を閉じる。


「はい。今日から魔法学の実技を学んでもらう。実技を本格的に学ぶのは、高校からという者も多いから、基礎からやっていくぞ。中学時代で実技を学んでいた者は、手伝ってやってくれ。」


西園寺が言うように、一般的に中学は、魔法学の学科の勉強がメインとなり、実技事態は殆ど行わない。


中学で魔法を使用するのは危険というのも一つの理由ではあるが、何より実技を学ぶ為の場所、つまり魔法教室が無い中学が殆どだった事が大きな理由だ。


「では、初めに、魔法について問題だ。魔法の3大要素は何か?基礎中の基礎だからな、中学時代に習ったはずだ。では…王月、言ってみろ。」


西園寺は、王月を指名する。


真剣に考え、しばしの沈黙が訪れた。


そして、一つの答えを導き出し、自信に満ちた表情で、答えを返す王月。


「魔法3大要素は、努力・友情・勝利です。」


「それ、なんてジャンプ?全然違うし、勝利って誰に勝きだ?」


西園寺は、呆れた様に、横に首を振りやれやれ、といった様子で言った。


「王月、目を開けて鼻ちょうちんを作って寝ているから、そんな回答しか言えんのだ。」


「やっぱり、本当だったんだ…。」


西園寺に、言われたことで、開眼鼻ちょうちん居眠り事件が、現実であることを再認識し、項垂れる夕だった。


「じゃ、尾上、答えてみろ。」


次に、陽太を指名する。


「30歳以上であること、童貞であること、中二病患…いでっ。」


全ての要素を答える前に、陽太の頭にチョークが直撃する。チョークだけにね。


「はい。もういいです。それは魔法じゃなくて魔法使いになる要素だから。はい、これ以上バカ達に付き合っていられないので、先生が答えます。」


西園寺は、あきれ果て、自身で正しい答えを生徒に伝える。


「まず一つは、魔源、次に魔力、最後が法式だな。」


西園寺は、魔法3大要素の全てを答え、更に、説明を続を続けた。西園寺の説明はこうだ。


まず、魔源について。魔源とは、字のごとく、魔法の源だ。この魔源は、普段から空気の様にそこらじゅうに漂っている。とはいえ、肉眼では魔源を見ることはできない。


魔源を見るには、魔眼鏡という、特殊な眼鏡を装着することで見ることができる。ちなみに、魔眼鏡は、専門学校に行っていない限りは、高校から支給される。更に言うと、先ほどから生徒、教師が首にぶら下げている眼鏡だが、それが魔眼鏡である。


話を戻し、魔源には、火水風土等の属性がある。この魔源による属性で、魔法の属性が決まる。つまり、火の玉を生み出す魔法を使うのであれば、火属性、水鉄砲を出す魔法を使うのであれば、水属性の魔源を使用する。非常に単純だ。


勿論、魔源だけでは、魔法は生まれない。魔源とは、言わば魔法の属性を決める要素だ。それでは、実際に火の玉を造るにはどうするのかと言うと、ここでも一つの要素である魔力が必要となる。


魔力は、魔法を造る為の力で、体力と似ている部分がある。魔力を数字化にして例えてみる。魔力が100あるときに、50の力を使い火の玉を造ると、火の玉は2回使える。しかし、倍の大きさの火の玉を造るときは単純に100の力を使い、1回しか使用できない。


かなり、極端ではあるが、これが魔力量の法則である。


そして魔力は誰にでもある力であり、個人により大きく差がでる。魔力の優劣は遺伝によるもので、鍛えて魔力が強くなる事はないとされている。つまり、生まれた時点ですでに魔力は決められているということだ。この部分に関しては、体力とは異なる部分だろう。


その魔力と魔源を組み合わせることで、魔法を生み出す。が、まだこの段階では火の玉としては機能しない。むしろ今の段階では魔法の素ができたに過ぎない。では、火の玉として機能させるにはどうすればいいのかと言うと、ここで最後の要素である法式が必要になる。


法式とは、その魔法の動きや、形を定義したもので、この方式に従い、魔法は形を造り動く。極端な例だが、「えいっ!!」と言ったら真っすぐ飛ぶ丸い球と定義し、魔法に組み込むことで初めて火の玉が完成するというわけだ。


「まぁ、説明だけでは、あまりピンと来ないだろうから、先生が実演する。解説しながら、魔法を使うから、ちゃんと見とけよ。では、魔眼鏡を掛けろ。」


西園寺に言われ、生徒達は、首にぶら下がっている魔眼鏡を装着した。


皆が、魔眼鏡を掛けたことを確認した西園寺は、カチャリと自分も魔眼鏡を掛けて実演を始めた。



魔法説明回です。次回もです。

頑張ります。

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