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天王寺学園!  作者: チル兄
学園入学
9/29

これはあくまで自己防衛です

こんなに早くバトルシーンを書くことになるとは……

作中に出てくる胡狼という単語は誤字ではありません。

 「先に喧嘩を売ってきたのは奴等の方だ。

 俺は火の粉を振り払ったに過ぎない」


 「そうだろうなぁ……お前が自分から

 仕掛けてこないってことはよぉく分かってるさ。

 でもなぁ--」


 落木が右手を上げる。

 すると他の不良達が前に出てきた。



 「俺達ブルゾンタークスにも、面子ってもんがあるんだよ。

 だからよぉ……少しばかり痛い目に遭ってもらうぜ。

 お前ら、やっちまいな」



 それだけ言って落木は踵を返し、この場から

 立ち去っていった。



 「くっ!三人共下がって!」



 先輩が私達を護ろうと前に出る。

 その気持ちは嬉しいが、

 私達はこの程度の輩に負けるほど弱くはない。

 それに--



 「なぁ……モウ殺ッテモイイカ?」



 こちらには胡狼が居る。

 負けるはずがない。

 私は殺気を垂れ流しにしている有紀に


 「あぁ……殺れ」


 狩りの許可を出した。





 別当琢磨は焦っていた。

 ブルゾンタークスがいずれ報復しに

 来るとは思っていた。

 だが、まさかこんなにも早く報復しに来るとは

 思ってもいなかった。

 自分の浅慮さに怒りを覚えながらも、

 チラリと後ろを見る。


 この道場を訪ねてきた三人の少女。

 彼女達はこの下らない諍いには何の関係もない。

 だからこそ、巻き込むわけにはいかないのだ。

 必ず護って見せる。

 そう強く決意した瞬間--



 「オォォォラァァァァ!!」



 咆哮と共に一瞬で琢磨の横を誰かが通りすぎ、

 不良の一人の顔に飛び蹴りを叩き込んで

 昏倒させた。

 その人物とは--


 「まずは……一人」



 自分が護ろうとしていた少女の一人だった。




 不良達は突然のことに理解が追い付いていないのか、

 ただ立ち尽くしている。



 「次ぃ!」



 有紀がそれを見逃すはずもなく、

 すぐ近くの不良の腹を殴って怯ませ、

 更に顔面を二発殴り、上段回し蹴りを叩き込んで

 壁に叩きつけた。



 「二人……」



 不良達は二人倒されてようやく正気を取り戻し、

 有紀に向かって行く。

 だが、私と蘭が不良達の前に立ち塞がる。



 「私達を忘れてもらっては困るな?」

 「そうッス!自分達の相手もして欲しいッス!」


 「んのアマァ!!」


 「なめやがってぇ!!」



 私達の言葉に逆上した二人の不良が、

 こちらに向かってくる。

 残り一人が制止しようとするが--



 「おっと、テメェの相手はあたしだぜ?」


 「くっ……」



 有紀に目を付けられてしまい、

 有紀と戦わざるを得なくなっていた。

 上手い具合に分かれたな。

 これで目の前の相手のみに集中出来る。

 私は展開した特殊警棒を構え、精神を研ぎ澄ませる。



 「……」


 「何だ?びびっちまったか?」



 不良が何か言ってきたが、耳に入ることはなかった。

 相手は素人、焦る必要はない。

 動きを見切り、最小限の動きで避け、一撃で仕留める。



 「おりゃあ!」



 不良が拳を振るってくる。

 だが--



 (遅い……)



 ほんの僅かに身体を反らし、拳を避ける。

 そして踏み込み、一気に距離を詰め--



 「どぉぉぉぉう!!」



 掛け声と共に、生徒の胴体に特殊警棒を打ち込んだ。

 不良は声を上げることも出来ずに床に沈んだ。

 ふん、造作もない。



 「ほいっと」


 「ごべらっ!?」


 「一丁上がりッス♪」



 蘭の方も片がついたようだな。

 あとは有紀だが--



 「そらそらそらぁ!」


 「ぐあぁぁぁぁっ!!」



 ……これは酷い。

 もはやサンドバッグ扱いだ。

 気が済むまであいつは止まるまい。

 冥福を祈るぞ、名も無き生徒よ……




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