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天王寺学園!  作者: チル兄
学園入学
4/29

誰にだって言っちゃいけない言葉がある。

グダグダですが、許してくだされ!

 「1ーC……ここか」



 発表されたクラスであることを確認して、教室に入る。

 入学式を終えた私は、発表されたクラスへ来ていた。

 学園長の挨拶以外は普通だったな。

 お陰で尚更、学園長の異質さが際立っていた。

 まぁ、異質なのは学園長だけだろう。

 クラスメートは普通のはず、なんの問題もない。

 私はそう思い、自分の席に座る。



 「お~!ここがあたしのクラスかぁ!

 結構良さそうじゃん!」



 すると後ろから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 後ろを見て見ると、私の幼馴染みである愛染有紀が

 上機嫌でこちらに歩いてきた。



 「ようっ!おはようさん!」


 「あぁ、おはよう。……やけに上機嫌だな?」


 「いやぁ~新しい学校が楽しみでさぁ!

 昨日から一睡もしてないんだよ!」


 「……貴様は小学生か?」



 有紀に呆れてため息をつく。

 全くこいつは……



 「それにしても、またあんたと同じクラスとはね」


 「これで十年連続か……もうお前の顔は見飽きたぞ」


 「うぉいっ!?あんたには友情って物が無いのか!?」


 「?私は貴様と友人になったつもりはないが……」


 「あんた、血も涙もないですねぇっ!?」



 有紀が私の言葉を聞いて、その場に泣き崩れる。

 私はそれを無視して持ってきた小説を読み始めた。



 「シクシク……」


 「……」


 「シクシク……」


 「……」


 「シクシク……」


 「……」


 「なんか反応してよっ!?」


 「……チッ」



 仕方無く小説を閉じ、鞄にしまう。

 泣き出したと思ったら、急に叫びだしおって。

 落ち着きが無い奴だ。



 「……五月蝿い奴だな。一体何なんだ?」


 「さもあたしが悪いみたいに言わないでよっ!?」


 「実際騒いでいるのは貴様だけだろうが。

 故に貴様が悪い」


 「元々そっちが無視するから悪いんじゃんっ!」


 「知らんな。濡れ衣は止めてくれ」



 有紀に適当に返しながら、時間を確認する。

 そろそろHRか……


 「もうそろそろHRが始まるぞ。

 さっさと席へ行け」



 私はそう言って有紀に向かって、手を払う仕草をする。



 「うぅぅぅぅ!!もう良いよ!この……貧乳っ!!」



 その瞬間、時が止まった。





 愛染有紀は焦っていた。

 彼女にとって、幼馴染みである宮堂朱鷺乃は

 親友と言っても過言ではないと考えている。

 朱鷺乃も口に出すことはないものの、

 同じく考えている。

 十年の付き合いである彼女には確信があった。

 だが、それでも小馬鹿にされれば頭にも来てしまう。

 だからつい言ってしまったのだ。

 朱鷺乃に対して、絶対に言ってはいけない言葉を……





 「……」


 「あわわわわ……」



 表情を凍らせたまま、微動だにしない朱鷺乃を見て

 顔を真っ青にして怯えていた。

 禁句を言ってしまった時の恐ろしさを、

 彼女はよく知っていたからだ。

 少しの間、朱鷺乃は微動だにしなかったが、

 鞄から何かを取り出し、突如立ち上がった。

 そして--



 シャキンッ!



 取り出した物--特殊警棒を展開させた。

 それを見た有紀は、青くしていた顔を更に青くした。



 「ま、待ってよっ!さっきの言葉は「有紀」

 ハ、ハィィィィッ!?」



 有紀は弁解を試みるが、名前を呼ばれて

 直立不動になってしまう。

 そんな有紀に朱鷺乃は、

 とても綺麗な笑みを向けて一言、



 「くたばりやがれ、この野郎♪」


 「へっ?ちょっヒィィィィ!?」



 有紀の悲痛な叫びが学園に木霊した……



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