学園長は(外見は)チンピラみたいな男だった
今回はぶっちぎりで短いぜっ!
その上面白くないせっ!
入学式は問題無く行われた。
寧ろ問題が起きては困るのだが。
そして行事が一段落したところで、
学園長の挨拶が始まった。
--が。
(なんだあの男は……?)
私は壇上に上がってきた男を見て唖然とした。
誰もが想像するような老人ではなく、
20代前半の若い男だった。
格好も髪を金髪に染め、アロハシャツを着ているなど
とても教育者とは思えない物だった。
どちらかと言えば、うちの連中に近い物を感じるな……
学園長?は生徒を見渡し
「お前ら、揃いも揃って堅っ苦しい格好してんなぁ。
まぁ、そうしろって書いたのは俺なんだが……」
そう言って学園長?は頭を掻いた。
「ここの学園長、天王寺義巳だ。
一応、入学おめでとうって言わせてもらうぜ」
……何故一応なんだ?祝う気がないのか?
「この学園の教育方針は自由だ。
お前たちはここでどんなことをしても構わん」
学園長の言葉に生徒がざわめく。
正気か?そんなことを言ったら、勘違いした馬鹿が
好き勝手に暴れてしまうと思うが……
「制服なんざ来てこなくても良い。
授業や行事に参加しなくても構わん。
非行行為大いに結構。
俺はお前たちの行動に一切口出しせん」
……なるほど、ようやく意図が理解出来てきた。
自由とはよく言ったものだ。
つまりは全て自己責任で行えということか。
中々厳しいことを言ってくれるな。
「まぁ、なんだ。三年間しかない高校生活なんだ。
思いっきり楽しめ。
それで、良い思い出たくさん作れ。
青春……謳歌しろよ?」
その言葉を最後に学園長の挨拶は終わった。
……なんだかとんでもない場所に来てしまったな。
これからの学園生活、本当に不安だ……
そう思う私とは対照的に、周りの生徒は
これからの学園生活に思いを馳せているようだった。