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天王寺学園!  作者: チル兄
家族集結、そして野球大会?
29/29

大会開始っ!

 野球大会当日、私達は体操服に着替え、

 グラウンドに集合していた。



 「こーゆー行事はアタシの独壇場だぜぃ!」



 有紀が気合い十分といった様子で柔軟体操をしている。

 まぁ、コイツは基本的に運動系の行事しか活躍出来ないからな。

 気合いが入るのも当然だろう。



 「うーん、良い天気ッスねぇ。まさに運動日和ッス!」


 「蘭は野球が好きなんか?」


 「野球というよりは運動そのものが好きなんスよ。

 体を動かすのは気持ち良いッスからね♪」


 「健全やなぁ。まぁ、わっちもなんやけど」



 深紅と蘭も会話を楽しんでいた。

 二人とも仲良くなれたようで何よりだ。

 他の者達も気合いを入れたり、準備体操をして大会に備えている。

 そんな中、グラウンドの一角に人だかりが出来ていた。

 そこに居る者達は全員特攻服を身に纏い、

 手にはヤンキーでも分かる野球ルールと

 書かれた本を持ち熱心に読んでいる。

 その中心には……盛大にイチャついているうちの両親が居た。



 「ン~♪時雨の髪は良い臭いがするな~♪」


 「そう言う君の胸もマシュマロのように柔らかいぞ」


 「アンッ♪もう……時雨のスケベ」


 「否定はしないよ」



 ……恥ずかしい。顔から火が出そうだ。

 見ろ、皆見てるじゃないか。頼むからこんな場所で

 イチャつかないでくれ……



 「なァ、今から保健室にでも行って一発ヤらねェか?

 俺はもう我慢の限界だよ」


 「全く……イケナイ子だな、君は。

 だが、私は君のそんなところが何よりも愛おしい」


 「へへっ俺も、時雨の全部が大好きだぜ♪」


 「嬉しいことを言ってくれるな、君は……。

 その想いに応えて快楽を与えて上げなくてはな?」


 「わーい♪」



 耳を塞ぎたくなるような甘い言葉の応酬の後、

 二人は学園へと消えて行く。

 開会式が始まるまで、二人は戻ってくることはなかった。




 開会式はつつがなく終わり、掲示板に対戦表が貼り出された。



 「私達は三試合目か」


 「少しの間時間があるッスね」


 「どないしよか?」


 「ポーカーでもする?」



 有紀が何処からかトランプを取り出す。

 お、中々準備が良いじゃないか。



 「ここでトランプは不味いッスよ。ねぇ朱鷺乃?」


 「いいや、ここはポーカーよりもババ抜きだろう」


 「朱鷺乃もッスかっ!?」


 「いーや大富豪やろ」


 「深紅もっ!?」



 暇を潰すにはトランプが一番だからな。

 それに、学園もトランプをすることぐらいは

 許してくれるはずだ。



 「おっしゃあっ!早速俺達の出番だっ!

 格の違いってヤツをガキ共に思い知らせるぞっ!」


 「「「おーっ!」」」


 「結華さん達気合い入ってるねぇ」


 「こっちとしては、あまり気合いを入れないでほしいんだがな」


 「あーわっちも気合いは入れて欲しくないなぁ」



 母さん達が何をしでかすか分かったもんじゃない。

 頼むから問題は起こさないでくれよ……





 「それではこれより第一試合、3年Cクラス対

 デッドライン選抜チームの試合を始めます。礼っ!」


『よろしくお願いしまーす』



 グラウンドに集まった両チームが審判に促され礼をする。

 早速第一試合から出番が出来た結華達だが、

 相手の3年Cクラスはブルゾンタークスの悪共の巣窟であり、

 どんな卑怯な手段を使ってくるか分からなかった。



 「よぉ美人さん、おっぱいでけーなぁ」


 「あとで俺達と遊ぼーぜ。うへへっ」



 それぞれの選手がベンチに戻っていく中、

 3-Cの二人の生徒が結華に言い寄る。



 「ハッ!もしもテメェらが試合に勝てたら

 好きなだけ俺を抱かせてやるよ」



 それを結華は鼻で笑い、トンでもないことを言い出す。



 「うっひょーっ!マジかよっ!こりゃ死んでも勝たねーとなっ!」


 「へへへっその言葉、忘れんなよ?」


 結華の言葉を聞いた二人は一気にやる気になり、

 足取り軽くベンチに戻っていく。

 結華は意気揚々とベンチに戻ったところで

 突然時雨に抱き締められた。



 「……急にどうした?」


 「君はいつも無茶をするな」


 「あ、聞こえてた?」


 「私にはな。……頼むから二度とあんなことは言わないでくれ。

 君が私以外の男に抱かれる姿を想像するだけで

 おかしくなってしまいそうだ」



 そう言って抱き締める力を強める時雨。

 結華は背中に手を回し、安心させるように

 優しく背中を叩いた。



 「大丈夫だって、あんなガキ共に負けやしねェからさ。

 それに、もし負けたとしても守ってくれるだろ?」


 「……あぁ、もちろんだ」


 「それでこそ俺の旦那だぜ♪」



 結華は明るい笑みを浮かべる。

 試合が始まるまで二人は抱き締め合っていた。

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