表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天王寺学園!  作者: チル兄
学園入学
21/29

タイトルが思い浮かばない……byチル兄

蘭はファザコン。

そして、デッドラインには掟がある。

 「成る程のう……」



 私の説明を聞いた中岡は、何度も頷いていた。



 「それにしてもそのブルゾンタークスじゃったか?

 気に入らんのう……」


 「ろくでなし共の集まりだからな。

 血気にはやったおかげで奴らに

 目をつけられてしまったよ……やれやれだ」


 「いや、宮堂さぁは悪くないじゃろう。

 悪いのは落木じゃ」


 「アイツ、笑って人を刺しそうッスよね。

 こう……後ろからブスリと」


 「たわけ、物騒なことを言うんじゃない。

 本当に誰か刺されたらどうする?」


 誰かが後ろから刺される光景を思い浮かべたのか、

 蘭は乾いた笑い声を上げた。

 中岡は黙り込んで何かを考えているようだ。

 こうして見ると意外に顔立ちが

 整っていることが分かる。

 顔に傷がなければさぞかし女子から

 人気があっただろう。



 「どうしたんスか?中岡くんの顔を見つめて……」


 「いや、ただ--」


 「ただ?」


 「顔に傷が無ければ、さぞかし女子に

 人気があっただろうなと」



 私の言葉を聞いて、蘭が中岡の顔を注視する。

 そして、あ~と声を漏らしながら

 納得したように頷いた。



 「確かにイケメンッスね。

 まぁ、お父さんには遠く及ばないッスけど」


 「……そんなにかっこいいのか?」


 「そりゃあもう!俳優なんて目じゃないッス!

 自分、お父さんのお嫁さんになっても

 良いぐらいッスよ!」


 「そこまでだ。それ以上は法律的に問題がある」



 蘭の問題発言に待ったをかける。

 まさか蘭がファザコンとは……

 数少ないまともな人間だと思っていたのだがな。

 本当に残念でならない。

 また頭痛の種が増えるのかとため息をついた時、

 今まで黙っていた中岡が口を開いた。



 「……宮堂さぁブルゾンタークスのことなんじゃが」


 「ん?あぁ、何か聞きたいことでもあるのか?」


 「いや、そうじゃないんじゃ。

 ブルゾンタークスことなんじゃが……

  わしに任せてくれないか?」


 「……何か良い方法でも?」


 「まぁ、な」



 中岡の申し出はありがたい。

 彼は間違いなく私達よりも荒事に

 慣れているはずだ。

 正に適任だろう。

 しかし、このまま中岡に押し付けて

 終わりというのはあまりに無責任すぎるし、

 何より私自身そんなことは絶対にしたくない。

 だが、私が協力を申し入れても

 受け入れられることはきっと無いだろう。

 ならば私は一人で動いてみよう。

 大したことは出来ないだろうが、

 多少の手助けにはなるはず。



 「君に任せることに異論は無い。

 任せても良いか?」


 「応っ!わしに任せてくれ!」



 その後中岡と別れ、食堂へと向かった。





 「なぁ、母さん」


 「んー?」


 「ブルゾンタークスという名前に

 聞き覚えはないか?」



 夜、居間で寛いでいた私は店の売り上げを

 計算している母さんにブルゾンタークス

 について訪ねた。

 母さんは計算を止め、思い出そうと唸る。

 まぁ、間違いなく知らないだろう。

 こちらも冗談で聞いたのだから、

 答えは期待していない。



 「ブルゾンタークス……ブルゾンタークスなァ……

 ……あっ思い出した。

 ソイツら、ウチで無銭飲食しようとした奴らだ」


 「……因みにそいつらは?」


 「ボコボコにしてブタ箱行き」



 清々しいまでの笑顔でそう言う母さんを見て、

 ブルゾンタークスのメンバーに同情する。

 ウチの店には幾つかの掟のような物がある。

 それらは母さんが定めたわけではなく、

 何時の間にか出来た物だった。

 その中でも、無銭飲食と店内での喧嘩に関する

 掟は特に厳しい。

 この掟を破った者は……いや、止めておこう。

 世の中知らない方が良いことがある。



 「で、ソイツらがどうかしたのか?」


 「いや、特に理由は無いんだ。

 ただ聞きたかっただけ」


 「そーか。……まぁ、アレだ。

 困ったことがあったら何時でも俺を頼れよ?

 俺ァ何時でもお前の味方だからさ」



 それだけ言って、母さんは売り上げの計算を始める。

 私は心の中で、礼を言った。



次からは新章。

もしかしたら新しくお借りした

キャラが出るかも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ