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天王寺学園!  作者: チル兄
学園入学
17/29

イチャイチャしてんじゃねぇぇぇぇ!!

久々に更新するなぁ……

 「口ほどにもない連中だったぜよ!」


 中岡が得意気に笑う。

 確かに不良達は中岡に手も足も出なかった。

 流石は元総長?だな。



 「ありがとう中岡、おかげで助かった」


 「い、いや!そんな礼を言われるほどの

 ことじゃないぜよ!

 ……それより、あの連中は何なんじゃ?」


 「あの連中は--」





 中岡に質問されたため、不良達について説明し始めた。





 「ふぅ……」



 俺は自動販売機で買った、ペットボトルの

 緑茶を飲んでいた。

 やっぱり冷えた緑茶は美味いな……

 こうして緑茶を楽しめるようになったのは、

 彼女達がブルゾンタークスの奴等を

 蹴散らしてくれたおかげだ。

 それまでは何時襲ってきても良いように

 常に気を張ってたからなぁ……

 本当、感謝してもし足りないよ。

 まぁ、ブルゾンタークスの連中が

 来なくなった代わりに、違う人が

 ここに来るようになったんだけどね。


 「っと!そろそろかな?」



 時計を見て、何時もの時間であることに気が付き、

 ペットボトルのキャップを締める。

 その直後、扉が開いて



 「琢磨先輩ぁぁぁぁい!!」



 有紀さんが駆け込んできた。

 またあの二人に泣かされたのかな?



 「今日はどうしたんだい?」


 「聞いてよ!あの二人ってば--」



 有紀さんが愚痴を言い始める。

 有紀さんはブルゾンタークスの連中を蹴散らした

 次の日から、こうして愚痴を言いに来るようになった。

 最初はいきなり来たことに驚いたものの、

 今ではこれが当たり前の光景になっている。

 俺は、それがとても嬉しかった。

 何故なら俺は……



 「……先輩?あたしの話聞いてる?」


 「!あ、あぁ聞いてるよ」


 「本当に?」


 「……ごめん、聞いてなかった」


 「やっぱり!」



 俺が話を聞いていなかったことに

 有紀さん頬を膨らませて怒る。

 その子供っぽい仕草が可愛らしくて、

 つい頬が緩んでしまう。



 「な、なんで笑うの!?

 あたし、何か笑われることした!?」


 「いや、そう言うわけじゃないんだ。

 ただ可愛いなって思って……」


 「ハイ!?」



 俺の言葉に有紀さんは素っ頓狂な声を上げる。

 そして慌てて否定し始めた。



 「イヤイヤイヤ!?あたしなんて

 全っ然可愛くないって!!」


 「そんなことないよ。

 君はもっと自信を持つべきだ」


 「……そんなの嘘だよ。

 あたし、一度も可愛いだなんて

 言われたこと無いもん」


 「それは他の奴等に見る目が無かっただけさ。

 俺は、君より魅力的な女の子は見たこと無いよ」


 「あ……う……」



 有紀さんが顔を赤くなっていく。

 俺がさらに言葉を続けようと口を開いた瞬間--



 「イチャイチャしてんじゃねぇぇぇぇ!!!」



 怒号が響き渡り、眼鏡をかけた美形の男子が

 鬼の形相で駆け寄ってきた。

 こいつは頼嶋明彦。俺の悪友兼親友だ。

 大の女好きで、暇さえあればナンパしている。



 「どうしたんだよ明彦、急に大声出して……」


 「どうもこうもあるか!!さっきから

 イチャイチャイチャイチャしやがって!

 俺に恨みでもあんのか!?」


 「はぁ……?何訳の分からないことを言ってるんだ?」


 「可愛い彼女が居るお前には独り身の

 寂しさは分かんないだろうなぁ!!

 畜生……俺も美人で可愛い彼女が欲しい……!!」



 明彦が床に泣き崩れる。

 いやいや……お前、美人な彼女が居るだろ……

 まさかまた振られたのか?



 「なーに騒いでんのさ……

 五月蝿くて眠れないでしょーよ。ふわぁ……」



 欠伸をしながら、黄色の髪を背中まで伸ばした

 女子が歩み寄ってきた。

 彼女は四神憐。明彦の幼馴染みで、俺の友人だ。

 憐は既に何でも屋経営しており、

 昼は学園に通い、夜は依頼をこなすという

 生活を送っている。

 その為か常に寝不足ぎみで学園ではほとんどの

 時間を寝て過ごしている。



 「いや明彦が俺達を見て急に騒ぎ始めて……」


 「ふーん……まー大体何で騒いだのかは分かった。

 大方アンタ等が羨ましくなったんでしょ。

 コイツ、最近彼女に振られたからね」


 「やっぱりそうなのか……」


 「自業自得だよ。彼女欲しいなんて言いながら、

 彼女が出来てもナンパは止めないんだから……

 そりゃあ愛想も尽かされるわ」



 憐が呆れた表情で溜め息をつく。

 明彦は過去に数度女子と交際したことがあるが、

 筋金入りの女好きの為、彼女が出来ても

 ナンパを辞めなかった。

 結果交際が上手く行かなくなり、最終的に

 全て破局してしまった。

 まぁ、完全に自業自得だな。



 「あーもう、あんた鬱陶しい」


 「ベラッ!?」



 憐が泣き崩れている明彦を蹴り飛ばす。

 蹴り飛ばされた明彦は机を巻き込みながら、

 頭からゴミ箱に突っ込んだ。

 ……相変わらず容赦がないな。



 「……うん、これで静かになった。

 さーて、寝直すとするかー」



 憐はそれだけ言って、フラリと教室から

 出ていこうとする。

 いや、ここで寝ないんかい!

 出て行く前にこの状況どうにかしてくれよ!

 俺はそう思い、呼び止めようとするも、

 既に憐の姿は無かった……

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