表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天王寺学園!  作者: チル兄
学園入学
1/29

始まりからデンジャラス!?

また新しい話を書いちゃった……



 早朝、私は何時ものように鳥の囀りで目を醒ました。

 そして目を擦りながらベッドから降り、

 窓を開け放つ。

 その瞬間、早朝の涼しい風が私の頬を撫でた。



 「今日から高校生か……」



 私はそう静かに呟やく。

 私の名は宮堂朱鷺乃、今日から高校生として

 天王寺学園に通うことになる。

 環境が変化することに少し不安があるものの、

 同時に新しい出会いが楽しみでもあるな。



 「……そろそろ着替えるとするか」



 いつまでも新たな学園生活に、

 思いを馳せているわけにもいくまい。

 私は服を着替え始めた。





 「おはよう」


 「おうっ!おはようさン!」



 制服に着替え、寝室から出ると母さんに会った。

 私の母、宮堂結華は自宅で

 喫茶店『デッドライン』を経営している。

 ……何故このような店名なのかと言うと、

 母さんは元暴走族の総長であり、そのチーム名から

 取ったのだそうだ。

 ……他に取ることが出来る名前は

 無かったのだろうか?


 それだけではなく、店員を母さんの舎弟達が

 やっており、悪い意味でうちが

 有名になってしまっている。

 人相の悪い男達が満面の笑みで

 応対してくるのだから、当然のことと言えるのだが。



 「ン~♪」


 「……何で母さんは私を抱き締めているんだ?」


 「決まってンだろ?朱鷺乃分を補充してンだよ♪」



 因みに私は、先程から母さんに抱き締められている。

 母さんは重度の親馬鹿であり、

 出会ってしまえば最後、どんな場所であっても

 気が済むまで抱き締められる。

 拒もうとすれば、泣き出すため拒むことも出来ない。


 別に嫌というわけではないぞ?

 むしろ嬉しい。

 だがな?その、周りの目という物が……



 「……あの、母さん?」


 「えへへ……」



 あぁ……駄目だ。母さんは至福の笑みを浮かべ、

 自分の世界に入ってしまっている。

 とても私の話を聞いてくれそうにない。

 気が済むまでこのままで居るしかないか……





 「そう考えていた私が馬鹿だった!!」


 「舌噛むから喋らない方が良いぞ!!」



 今私は母さんの背中にしがみつき、

 母さんの愛車であるハーレー、

 ときめき五郎に乗っている。

 ……母さんのネーミングセンスには

 突っ込まないであげてくれ。

 三日間考えて付けた名前なんだ……



 「入学式は余裕を持って行こうと思っていたのに、

 母さんのせいで遅刻しそうじゃないかっ!!」


 「すまねェ!お前のあまりの可愛さに

 つい自分の世界に入っちまった!

 流石、俺様の娘だな!」


 「そんなことはどうでもいい!

 私が言いたいのは……母さんっ!?」



 目の前を塞ぐようにトラックが前を通る。

 減速しなければ、間違いなく事故に発展するだろう。

 にも関わらず、母さんはアクセルを全開にする。



 「……母さん?何故アクセルを全開にするんだ?」



 嫌な予感がして母さんに尋ねる。

 母さんは不敵な笑みを浮かべ--



 「決まってんだろ?車と荷台の間を飛び越えンだよ」



 とんでもないことを言ってくださった。



 「ま、待て……」


 「この緊張感……久しぶりに感じたが……」


 「待ってくれ」


 「やっぱ……」


 「待ってくれぇぇぇ!!」


 「最高だぜェェェェ!!」



 その瞬間……私は空を翔んだ。

 この時のことを私は、一生忘れることはないだろう。



 「イィィィヤァァァァ!?」


 「アーハッハッハァッ!!」



 この出来事は最悪の思い出として脳裏に刻み込まれ、

 乗り物にトラウマが出来てしまった……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ