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ゲーム審検査員に俺の生み出したギミックがことごとくダメだしされるんだが。

作者: 黒豆100%パン
掲載日:2026/01/27

ここは「プレイタブルポータル」と言うゲームの世界。よくありがちな仲間を集めて敵を倒し最後に立ちはだかる悪を倒すというRPGのゲームだ。


「さて、これでいいだろう」


大きなツノと紫の体、禍々しいほどの悪人面をしたその魔物はそう言って一息ついた。この男はこのゲームのラスボスであり、今は迫り来るプレイヤーにどのような試練を課そうかと試行錯誤をしているところだった。


「くくく、ここには強い魔物を配置してやろう」


そう言って草原に人間の2倍ほどの牛の魔物を放つ。ここは最序盤のエリアであり、簡単に倒せるスライムやコウモリの魔物しかいな。だがそこに3倍ほど強い牛の魔物を配置する。そうすれば少し雰囲気の魔物が居れば勝負をしかける。もちろん勝てるようにできていないのでボコボコにされるだろう。


「ダメです!」

「え?」


そこに突然そう言いながら現れる者がいた。それはヤギのような見た目とメガネをかけ2速歩行している魔物だ。


「なんだ?突然」

「私は検査員です。このステージが規定を見たしているか検査しにきました」

「ならば聞こう、ダメとはどう言うことだ?」

「こんな序盤に絶対勝てない魔物を配置するのは規定にそぐわないです。それと回復アイテムの入った宝箱をもう少し配置しましょう」


すこし不満だったが牛の魔物を消して草原に回復アイテムの入った宝箱を配置する。そして魔物も一回りほど弱くする指示を出す。


「これでいいのか?」

「はい!これで魔物に苦戦したりはしないでしょう。さて、次に行きましょう!残りの場所の魔物も少し弱くしておきましょう」


そう言われて渋々ラスボスは次なる場所へと向かった。そこは洞窟だ。迷路のようにグネグネと入り組んでいて進むと分岐する場所がたくさんある。もちろん分岐する場所は行き止まりだが時折そこに宝箱も置いてある。


「ククク、この迷路のような洞窟で敵と戦いながら消耗していくのだ。我ながら素晴らしい!」

「ダメです!」

「え!?」

「こんな入り組んでいては迷ってしまい面倒になってやめてしまいます」

「そんなこと...」

「さらに正解の道に行ってしまうともう片方の分岐に宝箱があるのではないかと一度もう一方の道を進んでしまうという時間の無駄は発生します」


そこで検査員は一つの提案をする。渋々それを受け入れたラスボスは道を直した。入り組んでいた道は全て撤廃され、短めの一本道になった。行き止まりの宝箱は全てその途中に配置された。


「一本道なら迷うことなく簡単に進めますね。そして宝箱も全部拾ってもらえます」

「いや...それだとダンジョンの意味が...」

「いえ。これぐらいしないとわざわざあんな迷路みたいな道を好き好んで行く奴は居ませんよ」

※個人の感想です

「いやいると思うが...」

「さて次行きますよ」



次はボスとして獰猛なライオンの魔物が待ち構えている。赤い立髪とオレンジの体に鋭い目をしていて、様々な状態異常と高い攻撃力を持ち序盤ながら厄介な敵だ。


「こいつは痺れライオン。マヒを得意とするが他の状態異常も強いぞ!」

「ダメです」

「え!?」

「終盤ならともかく、こんな序盤に面倒な敵を相手にしたら冒険をやめてしまいます。攻撃力が高いのに状態異常で行動を制限されたら勝てなくなります!」

「じゃあどうしたら...」

「状態異常は全部撤廃で」

「それじゃあ痺れライオンって名前が...」

「名前よりやり易さを重視するべきです」

「はあ」


ということで、ライオンの状態異常を取っ払い、ついでに攻撃力も下げる。


「ま、まあいい。本番はここからだ」

「と言いますと?」


奥から別のライオンが姿を現す。こちらは赤いライオンに対して体の色が青に変わっていて恐ろしい感じは変わらない。


「倒して安心したところにこいつがやってきてもう一戦するのだ!ははは!油断大敵というやつだ!」

「ダメです」

「え、これも?」


「ライオンを満身創痍で倒して続け様に戦うなんて明らかに不利です。しかも負けたら赤い方からやり直しなど面倒すぎます」

「え?いやそんな...」

「とにかく、途中に全回復を入れましょう」

「え、回復しちゃったらわざわざ連戦させる意味が...」


するとヤギの検査員は「そういえば」と何かを思い出したかのように言った。


「このダンジョンブロックを押して進むギミックありますよね?」

「ああ。少し頭を使わないといけないぞ」


この場所の道中には少し大きめのブロックが置いてありそれを押して穴に入れるというギミックが施されている。中には何個ものブロックをうまい具合に押していかないと全部穴に入れられないという少し難しめのものもある。


「撤廃です」

「えっ、せっかく準備したのに...」

「バトルものなので頭を使うギミックは大変です。好きな人は好きなのでしょうが、物語上では不要です」

「そんなあ...」


その後も苦戦しそうまたは少しで面倒そうなものがあれば全て撤廃されシンプルなものになった。


「そして最後にあなたです」

「俺!?」

「即死攻撃は使用禁止、自己回復も長引くので無しで。第二形態も無しでお願いします」

「え、でもそれがなかったら何を...」

「炎や氷の息、通常攻撃、状態異常などがあるでしょう」

「...はい」

「よし!これで素晴らしいものになりました!!もうこれで最高なものになったに違いありません!」

「そ、そうか...そうだな!」


そう言って2人で笑い合うのだった。



「来ない!全然来ない!」


そう言ってラスボスは玉座の魔で少し苛立っていた。待っても挑戦者が来ないのだ。来たとしてもまだ今のところ数人ほどであれだけ修正したのにおかしいではないか。


「大変です!」


側近が慌てた様子でやってきたのにラスボスは「何事だ」と言う。


「この世界、プレイタブルポータルがめちゃくちゃ叩かれてます!」

「なに!?」


モニターが空中に表示され、このゲームのレビューが現れる。



「プレイタブルポータル」


評価2/5

★★☆☆☆


最新のレビュー:

ひと

★☆☆☆☆

ひどい


ボスも弱くてストーリーも単調。ダンジョンも一本道ばかりでつまらなすぎる


★☆☆☆☆

なんだこのクソゲー


まともに売る気があるのか?途中でやめた。ストーリーはまだいいが、敵が弱すぎて話にならない。よほど縛りでもないと数時間でクリアできてしまう。


ごご

★★☆☆☆

なんだこれ


何かしらのギミックも無ければただ道を進むだけで単調。出てくる敵も

苦戦すらしないしなんだこれって感じ



「こ、このように良くて星2、時々4もいますがほとんどが1か2の低評価になってます!なので途中でやめた人はほとんどでこちらに来ないんだと思われます!


そのひどい有り様を見てラスボスは「まあそうだろうね」とだけつまらなそうに言った。

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