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第五話 リベンジ

うえーん、えーん、、


誰だ?ガキの声。悲しみと恨みの感情がこもってそうな声をしている。


あぁ、俺の声だ。両親が突然俺を捨て置いていったあの時の絶望が今になって湧き出してくる。助けてくれた町の人も大国の圧力のせいで笑顔が少なくなっていた。


だから、カッコづけてあの食堂の店主を守ろうとして、、返り討ちにあった。


「ん、、んんん、、、ここは、、?」


宿屋のベット。ゆっくりと身体を起こすが身体がミシミシと痛みを訴えてくる。


辺りを見渡すとベットのすぐ横な椅子にレイヴンが座っていた。


『レイヴン、、俺、、」「馬鹿者!力な使い方もろくに知らず見栄を張るからこうなったんだ!


あんなにいつも落ち着いているレイヴンも流石に眉間にシワを寄せて怒っている。


「だが、私も止めてやれなかったところに反省点がある。悪かったな。」


俺はレイヴンを真っ直ぐ見つめる。もう意地を張るのはやめよう。


「レイヴン、俺はどうすればいいんだ?あの時、『魔動力』が使えなかった。」


「それはね、『魔動力』の源は魔力だ。魔力は感情によって形を変える。つまり『魔動力』は落ち着いて発動する必要があるのだ。怒りに身を任せても人の心が乱れるように魔力も乱れ『魔動力』は発動できない。」


レイヴンは、俺の胸に手を伸ばしてきた。


「それに、力というものは魔力だけでは無い。精神力、すなわち心力も大切になってくる。心と身体は別のようで同じように鍛えなくてはいけない。さぁ、これでやるべきことは分かっただろう?」


やっと分かった。これまで俺は自分の相手に放つ力ばかり気にしていた。でも、本当に必要なのは自分を作るための力が必要なんだ。


それから1週間、怪我の治療も兼ねて魔力と心を鍛える練習を続けた。


すると、簡単に『魔動力』は復活し、前よりも魔力が身体全体に伝わる感覚になった。


敗北から1週間後、食堂を訪れるとまたあの二人組がいる。でも、もう大丈夫。次は負けねぇ。


「お姉さん〜、またゴミが入ってたんだけど〜どうしてくれるの?」


店主の女の人も心苦しそうだ。この町は、誰にも汚させない。店の中に入ると、男たちは俺の存在に気づく。


「あれ?先週来たサンドバッグ君じゃん。またボコされに来たのかな?はははははは!」


「いや、守りに来た。テメェらみたいなカスから、この町を。」


「また調子こいてるのかよっ!」いきなり大きな腕の拳がくる。俺はそれをヒラリとかわし、相手の腕を掴んで後ろ投げをする。ドアを突き破り外まで飛ばされたようだ。


「ちっ、なんだ今のパワーは?やっぱ剣で脅すのが1番だぜ。」


2人とも剣を抜いてくるが、俺は焦らない。そして向かってきた男の剣を掴み取りバキバキに折る。そして右ジャブ。魔力を込めた打撃、「魔撃」を続けて繰り出し屋根の上までぶっ飛んでいく。


「ちっ、、能力持ちかよ!?」


「あーあ、歳をとると体は退化していくけど、脳まで退化するとは思わないぜ。」


いい感じに煽れば、向こうは我を忘れて突撃してくる。前の俺と一緒だな、、、


深呼吸をし、心を落ち着かせ相手の腹に向けて技を放つ。


顎門(アギト)


ドンッっと衝撃波が辺りに響き渡る。


男は泡を拭いて気絶し、俺は腕が折れ、その場に倒れ込む。


その瞬間、周りの人々が笑顔で俺の元に集まってきた。


「すげぇなお前!」「荒くれ者なのによくやったねぇ。」「お兄さんかっこいい!」


俺は初めて周りから称賛されたので赤面して目を閉じることしかできなかった。


でも、これでよかった。力の正しい扱い方も理解できて、みんなこの瞬間だけだけど笑顔を取り戻せた。


レイヴンは家の物陰から、静かに微笑みその場を離れた。













顎門(アギト) 自分の身体の一部を犠牲にする代わりに強烈な一撃を繰り出すことができる。上達すれば魔力を犠牲に補うことができるようになる。

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