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2話

5/8 ご指摘により一部修正

6/20 指摘により、感嘆符や三点リーダを修正

城下町の大広場、現在俺はそこで露店めぐりをしている。

広場の大きさは半径数百メートルにも及び、その中心部に巨大な噴水、外部を円周で囲むように宿屋や道具屋、武器屋に防具屋、そしてクエスト斡旋所等様々な建物が建っている。

そして噴水を中心に露店は数多く存在していた。

ざっと見渡しただけでも数十程度じゃきかないだろう、百は越えている。


「おお! おお! そこ行く兄ちゃんに姉ちゃん! 今日は特に良い物仕入れてるよ! ! 一目でいいから見ていってくれや!」


威勢の良い声に目を向けてみれば、雑多な人ごみの中、身振り手振りを交えての集客に専念しているヒューマンの男が見えた。

少々興味を覚えたので、人ごみを掻き分け目的の露店に近づいていく。

漸く人の波を抜け、露店で売られている物を見れば、どうやらアクセサリー関係を扱っているらしい。


「お、兄ちゃん凄いね。その装備、もしかしてランカーかい?」


「ん? ああ、よく分かったな。一応ランキングには名を連ねてはいるが……」


ランカー、この神々の黄昏には様々なランキングが存在するのだが、ここでのランカーとは総合ランキング(実力・クエストの評価・資金・大会の経験etc etc)上位100名を指すことが多い。

自慢する訳ではないが、俺もそのランキングに名前を連ねている一人である。

と、言っても名前はプレイヤー名である必要はなく、偽名で登録している者も数多く居る、俺もその一人だ。


「うへぇ~……ランカーは過去数名見てきたけど、兄ちゃん、上位者だろ? こっそりライブラ掛けさせてもらったけど流石だね、情報の殆どがアンノウンで表示されてやがる」


「まぁ、PKの対象にならない様注意を払ってるからね。ランキング上位も否定はしないさ」


「そっか、んじゃちょい俺の店の物じゃ役不足かもしれんな。一応品揃えには自信があるが、ランカー相手じゃちと荷が重いってもんだ。見た限り、兄ちゃん前衛タイプだろ? うちじゃ主に後衛用のアクセサリーを扱ってるからよ、まぁ折角だし見て行ってくれればこちとら嬉しい限りだがね!」


此方の装備でランカーと見抜いたのは勿論だが、こっちの掛けたライブラでも殆ど情報が表示されないのを見る限り、なかなかの実力者かもしれない。

俺自身は前衛タイプだが、知り合いには後衛も居る、何か手土産になるような物があるかもしれないと、売られているものに目を通していく。

本人が言うだけあって、売られている品はどれもなかなかに良い物だった、殆どがレアドロップ物だし、中にはアーティファクト(この世界のアイテムはE~Sまでの6段階で格付けされていて更に-や+で小さな格を示す。A-以上の物がこの世界ではアーティファクトと総称されいる)ぽい物まで雑じっている。


ふと、店の端に古ぼけた指輪が鎮座しているのを見つけた。

飾り気の少ない指輪で、恐らく銀と思われる材質に中心に青い宝石が埋め込まれただけのシンプルな作り。

妙に気になった俺は、それにライブラを掛けて見ることにした。



レウコテアの指輪

ランク:A

効果:(装備者の最大MP+1000 光攻撃魔法の威力+10% 回復魔法の効力+15%)


エリナの職は後衛でしかも回復がメインである、この装備見たところ俺でも初めてみる物だ。

効果も他の物に比べて頭一つ飛びぬけている、手土産と言うには少々豪華ではあるが、エリナが喜ぶなら悪くないかもしれない。

幸い懐は様々な事情により底なし沼だ、多少値を吊り上げられても平気だろう。


「店主、この指輪が欲しい。いくらだろうか?」


「お、流石ですな、その指輪はまだ報告されていないダンジョンで発見されたらしい宝の一つですぜ? ちょいとしたツテで譲って貰ったんですが、見た目のせいか買い手が見つからなくてね。正直相場なんてない品でさぁ、取り敢えず3000万ルルでどうですか? 」


「高い、近い効果の物を知っているが、それでも1500万だ。1800万で買おう」


「馬鹿いっちゃいけねーよ兄ちゃん。恐らく全サーバー合わせても未だ数点しか存在しない品物ですぜ? そんじょそこらの装備と一緒にされちゃ叶いませんよ、2500万で手を打ちましょう」


この世界では通貨の総称をルルと呼んでいる、1ルル=日本円での1円と考えてくれると分かりやすいだろう。

正直3000万でも懐は痛まないのだが、出費は小さい方がいいに決まっている。

ここはもう一押しするべきだろう。


「俺の耳が馬鹿になってなければ、先程買い手がいない、そう言っていたな? 今売れるのと、いつ売れるか分からずに待つの、どちらが得だ? 2300万、最後通牒だ」


店主の顔が思考に沈む、この手の相場不明のアイテムでは近い効力の物と比較し、後は買い手との相談で値段が決まる。

2300万といえば、上級者と呼ばれるプレイヤーがゲーム時間にして、一ヶ月以上掛けて稼ぐ額に値する。


「分かった。それで手をうとう」


俺は店主にトレードの申請を行い、アイテムを確認した後指定の金額を記入し、トレードを完了させた。

顔には出さないが、内心ほくほく顔である。


「また、良い物仕入ますんで、見に来てくだせー」





結局その後時間まで露店めぐりを行ったが、めぼしいアイテムも特に見つからず、俺は仮想スクリーンに表示された時間を確認し、エリナがそろそろログインする頃だろうとあたりをつける。

広場外周にあるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)により経営されている喫茶店、エルトワーズ(待ち合わせに有名な場所として知られている)に入りエリナを待つことにした。





後書き


読み直しはしていますが、誤字脱字を見かけましたら感想等で御報告お願いします。

今回ちょっと短く感じたかもしれませんが、基本的には2500~3000文字前後を目処に構成していきたいと考えています。


次回漸くメインキャラが登場します!


まだプロローグいれても3話分ですが、感想や評価貰えますとやる気に繋がります。

他にもメインキャラ勢やモブキャラにて案があれば是非、感想と共に送って下さいお待ちしております。

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