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流転の國 番外編全集  作者: 川口冬至夜


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流転の國 マヤリィ様『透明化』

ルーリの鎧姿、カッコいいわ…

ここは衣装部屋。

ルーリは着てきたドレスを脱ぎ、どこからか取り出したプレートアーマーを身に纏う。

今日はブロンドのミディアムヘアも巻いていない。自然なストレートヘアのまま、衣装部屋に来たのだ。

「頭部を覆う必要は…とりあえずないか」

そう言うと、訓練所に『転移』する。

「あれが訓練用の人形…」

本来ならば魔術の実験に使われる強固で頑丈なそれは生半可な物理攻撃をすれば逆に跳ね返される上、武器も損壊するだろう。

ルーリはアイテムボックスから一本の槍を取り出し、構える。それはルーリの身長よりも長く重そうだが、軽々と振り回し、今日初めて訓練に臨んだとは思えないほど自在に扱いこなす姿は、さすが流転の國の配下達の中で最強と呼ばれるだけのことはあるだろう。

しかし、本来ルーリは悪魔種に属し魅惑魔術を使って相手を誘惑するサキュバスであり、流転の閃光をその身に宿し雷を操る魔術師である。にもかかわらず、その膂力は何者をも打ち砕き、こうして物理戦に備えた訓練でさえも簡単にやってのける。

まさに、マヤリィの切り札である。

(ふふ、ルーリの鎧姿、カッコイイわ…)

そのマヤリィはと言えば、本日貸切なはずの訓練所の片隅で『透明化』し、ついでに気配も消して、ルーリの訓練を見守っていた。

相手になる気はない。というかなれない。

マヤリィの持つ宙色の魔力はこの世界に存在するあらゆる魔術を放つことが出来る。つまり、彼女が魔術を発動すれば、配下達の中で最強と謳われるルーリであっても制圧することが可能だ。しかし、それは魔力を使えばの話であり、マヤリィ自身の物理攻撃は流転の國最弱と言っていい。拳は勿論のこと、斧を振るうことも出来なければ槍を扱うことも出来ず、剣で戦うことも無理だろう。

しかし、幸いなことに宙色の大魔術師と言われるマヤリィの魔力は果てしない。その為、魔法がなくならない限りはマヤリィが世界最強の魔術師である。

(地上は…危なそうね)

ルーリが縦横無尽に訓練所を使うので、少し怖くなったマヤリィは『飛行』を発動し、天井近くまで舞い上がった。そして、その場所に留まり、新たな武器を手にして訓練に励む側近を見守る。

そう、ルーリはマヤリィの側近でもある。

有事の際には流転の國最高権力者代理を任せるほど、ルーリは配下達の中でもマヤリィに一番近い所にいた。

以前、桜色の都の黒魔術師部隊と予言者が流転の國に来た際にも、ルーリを玉座の間から動かすことはしなかった。全てが片付き、都から引き抜いたシャドーレを皆に紹介する時まで、ルーリを流転の國以外の者に接触させることはなかった。だから、シャドーレでさえ完全に仲間になった段階で初めてルーリの存在を知り、國で預かることになった予言者に至ってはかなり後まで顔を合わせることはなかった。その為、未だに桜色の都でルーリの存在を知る者はいないだろう。

話を戻せば、ルーリは即興の技を用いて、訓練用の人形をいとも容易く破壊した。

「…こんなものか。次はもっと頑強に作ってもらわなければな」

ルーリはそう呟くと、ようやく動きを止めた。そんな彼女を見て、マヤリィは地上まで下りてくる。

「…見事ね、ルーリ」

そして『透明化』を解き、一人で訓練を続けていたルーリを労うのだった。

構成は違いますが前回と同じ話です。

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