308話 ウィータル侵攻:宇宙の生命
人類が存在する惑星を、『ウィータル』と呼ぶのだが、『ウィータル』という言葉すら、知らない者がかなり存在している。ウィータルでは天文学の研究はあまり行われておらず、この世界に存在する惑星をほとんど把握できていないのが現状。
その理由の一つとして、ウィータルに存在する「魔力」が研究主題に掲げられることがほとんどなため。
地球の存在する世界では、科学の力で地球のみならず世界への進出を人類は図ろうとしている。人工衛星は、人類の発展と生活を支えている主軸と言えよう。しかしウィータルでは、全てが魔法一つで成り立ってしまうため、外部の状況の観測術に怠けている。
故に、今まさにウィータルへと迫り来る脅威に誰一人として気付かずにいる。
邪神の『ノクステラ』に犯された存在は、勇者の暗殺と竜王の大切な存在を破壊するべく、ウィータルを目指す。
これらの存在は、自力で宇宙を渡ることのできる強者に限られるため、最悪の場合、太陽の意思のように竜王すら凌駕する存在がいたとしても不思議ではない。
ウィータルを除く世界には、『アトラス』と呼ばれる溶岩すらもろともしない肉体を持ち、その一撃は月をも砕くとされる巨人族が存在する。その大きさは、天空龍エリザヌスを上回るほど。
更に、『悪魔』と呼ばれるこの世の全ての闇を喰らう存在がいるとされ、それらは普段、宇宙空間に潜むとされている。生息区域に制限はなく、無限の生命と世界中のあらゆる惑星にも訪れることができる存在である。
逆に『天使』と呼ばれる存在もおり、『天使』は『悪魔』の上位互換とされている。『悪魔』はあらゆる闇を喰らい、『天使』へと死者の魂を献上する。『天使』は献上された死者の魂を喰らい、『悪魔』を産み落とす。
『悪魔』は『天使』にはなれず、『天使』は『天使』からしか産まれない。そしてこれら二つの存在は、最高神の意図しないところで副産物として誕生してしまった存在である。ただし、通常ならば世界に生きる生命にとって何ら害はない。
そして、『ノクステラ』の影響は宇宙だけでなく、次元の異なる異空間へも届いていた。その内の一つ「冥界(別名:地獄)」には、死者の魂が集まる場所があり、冥界主である『閻魔大王』と、死人の魂が具現化した『鬼神』が存在している。「魂」の調整は冥界と悪魔により行われる作業であるため、彼らには深い繋がりが存在している。
他にも、ウィータル以外に存在する『精霊界』や『妖精界』と言った普段は目には見えない存在が暮らす次元にまで影響を及ぼし、その他にも多様な存在が『ノクステラ』により一斉にウィータルを目指している。
ウィータルは、歴史上類を見ない大厄災に見舞われることとなる。




