一本の電話
…いつもの退屈な日常に一本の電話が・・・。
就職する気もなかったのに、先生に勧められて渋々就職したのはいいけど…
なんとなく毎日を過ごしてて、楽しくも充実も出来ず。
同期の子達は彼氏の話で盛り上がってる。
…チッ。どいつもこいつも彼氏彼氏って…!!!あああ彼氏欲しいっ!
こう何もない毎日をただ送っていて、彼氏と言う存在があるって言うだけで、
こんなに違った毎日が送れるなんて。けしからんっ…羨ましすぎる。
周りから見る私は、男に興味のないクールな人に見られているみたい。
喜怒哀楽はあまり顔にはしないタイプかも知れないけど、ちゃんと感情はありますよ!!
なんとなく就職して2年が過ぎようとしてた頃、一本の知らない番号から電話がはいった。
「─はい。」
一瞬出ないでおこうかとも思ったけど、恐る恐る出てみる。
「──あーっ!ゆきー久し振りー!!」
紹介が遅れたけど、"小夏 ゆき"。夏なのか冬なのか分からない名前。
「─…?んーっと?」(え、誰w)
名前を呼ばれたけど、誰だかピンと来なくて聞き返してみる。
「──ゆうき!」
えぇ…だれぇ…。ますます頭の中が?になってる私に更に続けて来た。
「──高校の時一緒だったy…」
「─あああああっ!ゆうきちゃん!」
彼女が名前を言い終わる前に思い出した。あまり絡みのなかった同じクラスの(一応)友達だった。
よく、"ゆき"と"ゆうき"で呼び間違えられたりもしたっけ。
「─久し振りだね~。誰かと思ったよ~」
「──あははっ。ゆきは相変わらずだねー。知らない番号にも動じないで出るんだもんw」
いやいや、めっちゃびびってましたがな。どうしようか軽く悩みましたけど?
「─いやぁ。大事な用とかだったら困るし…。んで、急にどうしたの?」
「──私さ~今夜職しててさ。何となくゆきの事思い出したんだよね~。で、電話してみた~あはぁ♪」
夜仕事をしてて、私を思い出す?え、ちょっと意味が分からんのだが…?wてか、酔ってんな?!
「─んん?夜のお仕事で私って…どうやって繋がったの…?w」
意味が分からなさすぎて、そのまま聞いてみた。
「──ほら、ゆきってさ~何にでもに興味がなさそうって言うか。物怖じしないって言うかー。」
「─そうでもないよ…?それと何の関係が??」
「──今さぁお客さんで気になっちゃってる人が居てさぁ~。キャバ嬢がお客さんを…って感じっしょ?」
感じっしょ?って言われても…縁遠い世界過ぎて普通が何か分かんないけどw
「─うんうん?お客さんを好きになっちゃったって事?」
「──ん~…好きなのかも?みたいな?」
「──みたいな…?自分でも良く分かってない的な?」
ただ恋愛相談がしたかっただけなのか…なんなのか…
煮えきれない感じで話しをしている彼女が何を言いたいのかも分からないまま、
その後話の流れで、明日久し振りに逢う事になった。
(また学生の頃の様に好きな人話…惚気か!?が始まるのか…)
うんざりしていた周りの惚気でも、久し振りに逢う友人に少しだけ楽しみになっている自分もいた♪