第1-2 刀とブレスと私のと
装備ですよ!装備!
『‥‥お‥‥き‥おき‥‥‥おきて』
シンリー様の声が聞こえたことにより、目が覚めた。
「おはようございます。シンリー様。ここは‥いや、無事に辿り着けたのですね。」
私は、目覚めた身体を起こし辺りを見渡した。
『おはよう、カルナ。驚いているでしょう。ここが貴方の新しい世界‥貴方の新しい人生が今始まったのよカルナ』
私が初めて見た光景は、目を見張るほどの草原であった。前の世界では高層ビルや住宅などで自然が埋もれていたためこのような景色は眺められなかったためか、ものすごく感動してしていた。
「シンリー様、私、大変感銘を受けております。このような景色を眺めることができるとは‥」
シンリー様に感謝の言葉を告げるとシンリー様は、嬉しそうに『よかったわ。気に入ってもらえたようで』と優しく微笑んでくださったが、すぐに深刻な顔になり
『忘れないでカルナ。貴方が望んだ世界は貴方が前にいた世界より厳しい世界であることを。そして、決して諦めず自分の夢を叶えなさいカルナ。』
シンリー様‥有り難き御言葉。それにしてもシンリー様が頑に『カルナ、カルナ』と呼んでいるのを聞いて気になってしまった。
自分が名付け親であるから、感慨深いのだろう。きっとペットを、飼った時のように愛着が湧いたのかもしれない。私としては、嬉しい限りだ。何はともあれ愛ではあるのだから。
「シンリー様。これから私はどのようにしていけばよいのでしょうか?もしよろしければ、ご教示賜りたいのですが‥」
いつまで、シンリー様がいてくださるのかがわからない今、出来るだけシンリー様から教われるものは教わっておかないと‥
『そうですね。カルナ、まず辺りを散策してみなさい。自ずとやらないといけないことが見えてくるわ』
「承知しました。シンリー様」
シンリー様の言葉のとおり辺りを散策することにした。その間にシンリー様が『カルナ、本当にいい子ね』『カルナ、無理はしないでね』など、優しくお声がけをしてくださった。
やはり、慈愛に満ちおられる。というか、最早母性ではないかと感じてしまう、などと考えていると、草原の一角に前の世界でいうマンホールのようなものが設置されていることに気がついた。
「シンリー様!よくわかりませんが、円状の設置物を発見しました!」
シンリー様に伝えたところ、このマンホール(仮)は、ダンジョンに続く入口とのことであった。シンリー様いわく触ってみたらわかるとのことであったためマンホールを触ってみた。すると‥
「なんということでしょう‥一面の草原から、風情あふれる地下迷宮に‥匠の粋な計らいですね」
漏れた言葉のとおり、まるで、ゲームで見た迷宮にそっくりな場所に辿り着いていた。
『ふざけている場合ではありませんよカルナ。早くスキルを使うのです。』
シンリー様より指摘があったためすぐにスキルを使おうとしたが‥使い方がわからなかった。
「シンリー様、申し訳ございません。使い方がわかりません。」
なんと私は無能なのでしょうか‥スキルの使い方さえわからないとは‥恥ずかしい限りです。穴があったら入りたい。
『カルナ。大丈夫です。教えてなかった私が悪かったのです。スキルは心の中で念じるだけで発動します。やってご覧なさい、私のカルナ』
シンリー様は、落ち込む私をフォローし、かつスキルの使い方まで教えてくださった。
だか、私の?私のとはいったい?
あまり気にしないようにしよう。きっと杞憂だ。そうに違いない。心の中でそのような思いと共に、スキル隠れ蓑を唱えた。
「これは‥成功なのでしょうか?よくわかりません‥」
特に何も変化してないからか、実感が湧かなかったが、カルナ様が『成功よ。さすが私のカルナ』と言っていたので信じることにした。
また、私のと言っていたのが気になったが深くは追求しなかった。
取り敢えずは、この状態で進むこととした。少し進んでいくと、宝箱のようなものがあったため、開けてみることにした。すると、中から蒼く染まった刀と赤色のブレスレットがでてきた。
「シンリー様。刀とブレスレットでてきました。これは、なんなのでしょうか?」
『運がいいですね私のカルナ。この刀はこの世界では【村雨】といわれています。そしてこのブレスレットは、【自動の腕輪】とよばれるものです。カルナの前世の行いがこの二つの装備を引き寄せたのでしょう。早速、装備なさい。私のカルナ』
シンリー様の、言うとおりに刀とブレスレットを装備してみた。
なんだか、少しだけ強くなったような気がした。
『私のカルナ、次に進みましょう。』
シンリー様の言葉なら導かれるように、私はダンジョンを進んでいった。
長くならないように気をつけます。