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パン屋の店主目線
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彼は激怒した。
この国のあり方にだ。
彼の経営するパン屋の近くでうずくまっていた見知らぬ女。
その女は明日食べるものもなく途方に暮れていた。
親兄弟は遠方の地で助けを求めるには遠い。
彼は彼女にその日の売れ残りのパンを食べさせた。
そして、国に掛け合い彼女を助けることができないか奔走するのだった。
しかし、彼女に住む家や職を用意することはできなかった。
彼は怒りに満ちた。
このようなかわいそうな女に、もっと努力をしろというのだ。
明日食べるものかないと、途方に暮れている女にだ。
彼は役所にかけあったり、図書館で調べたりしてみたがこの現状を打破するための解決策は見つかることはなかった。
彼は無力さに打ちひしがれた。
しかし、そんな彼に女は言った。
「あなたのおかげで前に進めそうです」
そう言って微笑み、女は去っていった。